J1残留を占う大一番『湘南×徳島』をプロ分析官が徹底展望! 両チームともに理想は前節の得点シーン

2021年11月26日 サッカーダイジェストWeb編集部

オリベイラ選手のご冥福をお祈り致します

杉崎氏が予想した「湘南対徳島」のフォーメーション

 Jリーグは11月27日、J1第37節の10試合を各地で開催。レモンガススタジアム平塚では、逆転での残留を目指す17位の徳島ヴォルティスと、勝点3差で上回り15位につける湘南ベルマーレが激突する。

『サッカーダイジェストWeb』では、Jリーグの各クラブでスカウティング担当を歴任し、2019年には横浜でチームや対戦相手を分析するアナリストとして、リーグ優勝にも貢献した杉崎健氏に、湘南対徳島の勝負のポイントを伺った。

 確かな分析眼を持つプロアナリストは、注目の一戦をどう見るのか。予想布陣の解説とともに、試合展開を4つの状況に分け、それぞれの見どころを語ってもらった。

――◆――◆――

湘南ベルマーレ
今季成績(36節終了時)15位 勝点36 7勝15分14敗 36得点・40失点

徳島ヴォルティス
今季成績(36節終了時)17位 勝点33 9勝6分21敗 31得点・51失点
 
 まずは、湘南でショッキングな出来事(11月23日にMFオリベイラが急逝)があり言葉では言い表せない衝撃を受けました。改めてオリベイラ選手のご冥福をお祈り致します。

 選手たちの動揺、メンタル面も計り知れない部分がありますが、献花台を設置し、個人を弔いつつ試合を行なうということなので、通常通りの分析を行なっていきたいと思います。

【予想布陣解説】
 ともに前節はアウェーで勝利を収め、ミッドウィークに試合がなく期間があったことで、大幅なメンバー変更はないと予想します。

 湘南に変更点があるとすれば、2、3人の小規模なものでしょう。3バックの右を舘幸希選手としていますが、石原広教選手の可能性も十分あります。左サイドの畑大雅選手のところには高橋諒選手もいる。2シャドーの左に配置している平岡大陽選手のところは、山田直輝選手の起用も考えられます。ウェリントン選手の心理状態は分かりませんが、可能であれば戦術上も起用したいはずです。

 一方の徳島は、左サイドバックのジエゴ選手が累積警告で出場停止。この部分をどう対処するかがポイントです。

 ジエゴ選手不在時にこれまでは石井秀典選手をセンターバックで起用し、福岡将太選手を左サイドバックに回していました。今回は福岡選手を左サイドバックに予想した一方で、これまでセンターバックを務めていた石井選手、ドゥシャン選手がここ最近ベンチ外となっている状況も踏まえて、11月21日に行なわれたエリートリーグのファジアーノ岡山戦で90分出場している鈴木大誠選手を予想しました。

 左サイドバックに田向泰輝選手もいますが、こちらはエリートリーグで前半のみの出場。状態が不確かな部分もあるので、福岡選手、鈴木大選手のセットを選んでいます。

 また、システムは岩尾憲選手がいなかったヴィッセル神戸戦から採用している4-3-3。岩尾選手が復帰後も採用し、前節のFC東京戦でもこの布陣で勝利しているため継続すると予想しました。
 

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