【森保J、2022年の主戦メンバーは?】伊東純也と久保建英は共存できるのか? 柔軟な選手起用がテーマに

2021年11月25日 元川悦子

識者が推奨するW杯予選終盤戦の主戦メンバー

元川氏が推奨する日本代表の2022年主戦フォーメーション。

 カタール・ワールドカップ アジア最終予選は6試合を終えて、日本代表はグループBの2位につける。残るは、来年2022年の1・2月シリーズと3月シリーズの各2試合。果たしてこの4試合で、そしてその後の本大会を見据えて、日本代表はいかなる陣容で戦うべきか。有識者の見解を伺った。
(文=元川悦子/フリーライター)

――◆――◆――
 
 2022年カタール・ワールドカップ(W杯)アジア最終予選6戦を終えて4勝2敗の勝点12でB組2位につけている日本。序盤3戦で2敗を喫した時には、キャプテン・吉田麻也(サンプドリア)が「万が一、予選敗退したら僕もすっぱりやめようと思います」と進退を賭けた発言をするほど追い込まれた。

 そこから森保一監督は4-3-3の新布陣を採用。東京五輪世代の田中碧(デュッセルドルフ)や三笘薫(サン=ジロワーズ)、中山雄太(ズウォーレ)らを積極起用するようになり、流れがガラッと変わった。10月のオーストラリア、11月のベトナム・オマーン戦は全て1点差の辛勝で、決して楽観は許されないが、「1チーム・2カテゴリー」で若手育成を図ってきた効果がようやく出てきた格好だ。

 W杯イヤーの2022年はその流れをより一層推し進めていきたいところ。ここまでの最終予選で目覚ましい働きを見せた3人のスタメン入りは当然の流れではないか。田中碧はインサイドハーフで起用されているが、オーバーワークの遠藤航(シュツットガルト)の代役としてアンカーもこなせるし、ダブルボランチでも行ける。先々を見据えて中盤の軸に位置付けてもいいくらいだ。

 中山にしても、長友のキレや鋭さが低下しつつある今、彼を頭から起用しない手はない。実際、三笘や浅野拓磨(ボーフム)、前田大然(横浜)といった打開力や推進力あるタイプを生かそうと思うなら、後ろからサポートできる中山の方がベターという見方もある。左利きのサイドバック(SB)は日本サッカー界が長年、待ち望んでいた存在。そういう意味でも期待は大きい。

 彼以外の最終ラインのベースは現状維持になるだろうが、30代の酒井宏樹(浦和)と吉田のバックアップ役は確立させておくべき。右SBに関してはすでに山根視来(川崎)が台頭。室屋成(ハノーファー)もクラブで活躍中で、酒井とそん色ない仕事を果たせるようになってきたのは朗報だ。

 ただ、吉田のところは発信力や統率力含めてなかなか替えが利かない。状態が万全なら2018年ロシアW杯経験者の昌子源(G大阪)などは適切な後継者候補なのだが、現状は難しい。であれば、思い切って板倉滉(シャルケ)の抜擢を考えるべき時期に来ているのかもしれない。いずれにしても、板倉と冨安健洋(アーセナル)には脱・吉田の布石を打つことが強く求められる。特に冨安にはリーダーシップをより身に着けてほしい。

【画像】直近11月シリーズの日本代表メンバー28人

次ページ奥川、伊藤、中島…必要に応じて新たな戦力にできれば、もっとアグレッシブな戦いができるはず

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事