若かりし大久保嘉人が背中を追いかけた憧れの人「すべてを学んでいつか抜ければいいなと」

2021年11月22日 サッカーダイジェスト編集部

「決断した時は、11月16日です」

引退会見に臨んだ大久保。心境を語った。写真:塚本凜平(サッカーダイジェスト写真部)

 今季限りでの現役引退を発表した、セレッソ大阪の大久保嘉人が11月22日、大阪市内のホテルで引退会見に臨んだ。

 2001年から21年間にわたるプロ選手生活にピリオドを打った大久保は、J1通算474試合・191得点をマーク。2位の佐藤寿人(現解説者)に30得点の大差をつける「J1通算最多得点記録」を保持してスパイクを脱ぐこととなった。今季は2シーズンぶりとなったJ1で27試合に出場し、6得点をマークしている。

 ほとんどの関係者からは「まだやれるだろ」と、決断を惜しまれたという。それでも大久保自身のなかでの決意は固かった。

「決断した時は、11月16日です。本当に最近なんですけど、これまでも車の中や家に帰ってひとりになった時に、ふと引退しようかなと思っていた時もありました。
 
 色々メンタル的なところで、20年間苦しい想いのほうが非常に強くて、それを見せないようにしないといけないなとずっと思ってやってきた。細い糸がギリギリつながっている状態というか。

 そのなかでひとりになった時に、ここで辞めたほうがいいのかなと、ふと思い、その場で今だと決めて、すぐ妻とかに伝えました」

 J1通算200点まであと9点に迫っているだけに、後ろ髪をひかれる思いもあったが、今は気持ちの整理がついているという。

「200得点取りたいという気持ちは誰よりも強かったし、俺しか目指せないものだった。だから『取るまでやれ』と言う人しかいなかったんですけど、良かったら取れるだろうし、悪かったらあと何年とれるか分からない。それだったら今辞めたほうがいいのかなと。それをみなさまに伝えた時には本当にスッキリした。そこを目指さなくてもいい、もう言われることもないと。今は整理もついています」

 現役生活のなかで大きなプレッシャーと戦い続けた大久保だが、プロ生活のなかで、背中を追いかけた人がいる。

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