欧州の舞台で“14戦16発”。新進気鋭の18歳・二田理央が秘める特大のポテンシャル【インタビュー】

2021年11月18日 斉藤宏則

『結構やれそうだな』だが実戦のピッチに立ってみると…

多くのタレントを輩出する鳥栖のアカデミー出身で、現在はオーストリアでプレーする二田。前期リーグでは14試合に出場し16得点。確かな手応えを掴んでいるはずだ。(C)Beate Retzbach

 二田理央、18歳。現在はオーストリアのヴァッカー・インスブルックⅡ(2部で戦うヴァッカー・インスブルックのU-23チーム)に所属するパリ五輪世代のFWだ。

 サガン鳥栖U-18在籍時の2021年シーズン、トップチームに2種登録されると、J1リーグ第19節の横浜F・マリノス戦で途中出場からJデビューを飾る。ほどなくしてプロ契約を締結。その後、ヴァッカー・インスブルックへの練習参加を経て、海を渡ることになった。

 多くのタレントを輩出する鳥栖のアカデミーで育ち、現在はヨーロッパで研鑽を積む俊英は、自身の成長をどう感じているのか。前期リーグを終えたタイミングで話を訊いた。

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――移籍からここまでの自身のパフォーマンスをどう評価しますか?

「移籍当初は練習をこなしていくなかで、正直、『結構やれそうだな』と考えていました。技術的な部分では、自分がプレーしていた鳥栖U-18などのチームメイトのほうが、質が上だと思いましたし。ちょうどそのタイミングでモラス雅輝監督から『加入してから今のところ、どう?』と聞かれたので、率直に感じたことを話したんです。そうしたらモラス監督から『まあ、そのうちわかるよ』と言われて。

 その後、リーグ開幕が近づくなかで練習試合が組まれていくのですが、そこで初めて『思っていたのと全然違うぞ、これがモラス監督の言葉の意味か』と気づいたんです。ボール扱いなど技術的な正確さ、繊細さは、僕が感じたように日本で一緒にプレーしてきた選手たちのほうが平均値は高いと思うんです。でも、いざ実戦のピッチに立ってみると、プレースピードや強度、ダイナミックさが日本で経験してきたものと全然違う。

 無駄なプレーが少なく、ボールを奪ってから相手の守備に隙を見つけると、多少プレーが粗くとも全員が一気にそこを狙って、あっという間にフィニッシュまで持っていく。今まで自分がやってきた競技とは全然違うことをやっている感覚さえありました。もちろん、どちらが良いというのではなく」
 

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