【ベトナム戦の最適布陣は?】4-3-3からスムーズな4-2-3-1への軌道修正を想定。非常時には2トップも

2021年11月09日 河治良幸

識者に訊く――4-3-3採用は自分たちに矢印を向けた部分もあった

河治氏が推奨するベトナム戦の予想スタメン。

 日本代表は11月11日に敵地でのベトナム戦を迎える。現在グループ4位の日本にとっては、是が非でも勝点3を掴みたい一戦。果たして、勝利を収めた前節・オーストラリア戦同様の4-3-3でいくのか、それとも別の布陣で臨むのか。森保ジャパンの動向をつぶさに追う有識者に、ベトナム戦の予想スタメン、そして試合の流れの中で予想されるオプション布陣について訊いた。
文:河治良幸

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 カタール・ワールドカップに向けたアジア最終予選を戦っている日本代表は、アウェーでベトナム、オマーンと対戦する。コロナ禍の厳しい移動や期間中の追加招集が難しい状況も考えて、森保一監督は27人のメンバーを選び、さらにコンディションの不安も伝えられていた堂安律を追加招集して28人とした。

 大きな焦点になりそうなのが、2-1で勝利したオーストラリア戦で採用した4-3-3がベースになっていくかどうか。1つヒントになるのが、J1で優勝を決めた川崎フロンターレからの大量招集だ。右サイドバックの山根視来とセンターバックの谷口彰悟の復帰に加えて、東京五輪を経験した旗手怜央が、さらに夏まで同クラブに在籍していた三笘薫も初招集となった。

 森保監督は4-3-3に関してオーストラリア戦での手応えを認めながらも、どのシステムや布陣で臨むかは、合宿がスタートして選手のコンディションなどを見極めながら判断していくことを示唆した。ただ、そうした言動からも読み取れるのは、4-3-3が必ずしもオーストラリア対策ではなく、自分たちに矢印を向けた部分もあったということだ。

 筆者は常々、日本代表の1つのシステム内での対応幅の課題を指摘してきた。4-2-3-1も高い位置からのプレスがうまく噛み合っている時は強いが、0-1で敗れた予選初戦のオマーン戦のようにシステムの穴を使われると、左右のサイドハーフがどんどん自陣に下がって、後手を踏んでしまう。

 4-3-3は中盤の三枚が幅広く、立ち位置のバランス次第ではシステム内でも相手の変化に対応できるはずだが、成熟度の低さには不安もある。実際、前回のオーストラリア戦でも長友佑都が前に出たときのスライドのギャップを狙われて、失点シーンのFKにつながった。選手たちもすぐに話し合って対応を整理したというが、ベトナムやオマーンは分析をして日本戦に備えられることは認識しておく必要がある。

 そうした事情もあり、今回はメインを4-3-3にしつつも、プランBとして最小限の選手交代で4-2-3-1に戻せるオプションも組んでみた。韓国人のパク・ハンソ監督が率いるベトナムは5-3-2と5-4-1を併用するチームで、試合中であっても変更してくる可能性がある。5バックというとベタ引きのチームを連想しがちだが、敵の進出スペースを消しながらバックラインを押し上げて、中盤でハードなプレスをかけてくる。そしてボールを奪ったら縦に速くというのがコンセプトだ。

 日本が4-3-3をベースとするのであれば、3ハーフのところでボールを失わないことを徹底させながら、ベトナムのラインを下げて行きたい。ベトナムはカウンターを得意としているが、ロングボール一本で吉田麻也や冨安健洋を破るFWのパワーは無い。その意味で中盤は4-3-3をよく理解し、うまく回せる構成で行きたい。基本的にはオーストラリア戦のメンバーをそのまま送り出す形で問題ないが、前線は早めにフレッシュなアタッカーを投入していくことも有効だろう。

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