【ライターが選ぶJ1ベスト11】ターンオーバー全盛の時代、驚きの数字を挙げたFWと圧倒的だったボランチは?

2021年11月09日 清水英斗

東京五輪を経てひとつスケールが大きくなった旗手

清水氏が選んだ今季のベストイレブン。

 今季のJ1リーグは、4試合を残して川崎フロンターレの優勝が決まった。王者の強さが際立つなかで、今季のJ1を沸かせた11人とは誰なのか。国内サッカーに精通する有識者に今季のベストイレブンを選んでもらった。
文=清水英斗(サッカーライター)

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 FW陣ではMVP候補と考えられる、レアンドロ・ダミアンと前田大然は確定。前者は18得点のほか、アシストも8と多い。頻繁にターンオーバーされるため、出場時間は少なめだが、逆に言えば、それでもこの数字を残しているのは驚きだ。ゴールパターンもコンビネーションのほかに、ロングシュート、ハイクロスのヘディングなど、彼ならではのスーパーゴールが目立つ。川崎で今季が3年目になるが、状態は最も良いと感じる。文句なしのベストイレブンだ。

 前田もFC東京戦でハットトリックを達成し、得点数は21で単独トップに立った。レアンドロ・ダミアンほどのゴールパターンの豊富さはないが、彼ならではの鋭いワンタッチゴールが、横浜F・マリノスのスタイルと合致し、鮮烈なゴールを挙げている。スプリントは圧巻の速さで、守備面の貢献も大きい。優勝チームではないので、MVPはやや厳しそうだが、残る3試合でさらに爆発すれば、もしかしたら?

 もう1枚はお馴染みの家長昭博にした。圧倒的なキープ力と、左足の精度。カウンタープレスでボールも奪い、ゴール数も8を記録。脇坂泰斗や田中碧ら、中盤のハードワーカーと絶妙なサポート関係で、今季も個性が光った。

 MFの一番手は旗手怜央。左サイドバックも良かったが、中盤は彼自身のクオリティがより感じられた。東京五輪を経て、スケールがひとつ大きくなった感がある。11月のA代表初選出も当然。さらなる活躍が期待される。

 2人目はルヴァンカップMVPの稲垣祥だ。今季はACLを準々決勝まで戦いながら、リーグ戦もJ1で全試合に出場中。しかも、その大半がフル出場だった。この5人交代可能でターンオーバー全盛の時代に、運動量豊富なダイナモボランチの圧倒的な稼働率は、驚愕の一言だ。ゴール数もMFながら8を記録し、チーム内トップ。インパクトが強いシーズンだった。

 もうひとりは後半戦に川崎への怒涛の追い上げを見せた横浜F・マリノスから、扇原を挙げた。美しく創造的なパスセンス、判断の早さ、豊富な運動量によるプレッシングなど、アグレッシブなチームスタイルを引っ張った。

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