【月間表彰】浦和DF岩波拓也はなぜ正確無比の“タッチダウンパス”でアシストできたのか? 「キックだけは誰にも負けるなと…」

2021年11月01日 江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

「顔を上げて見てしまったら、周りのディフェンスが反応してしまう」

9月の月間ベストアシストを受賞した岩波。見事なロングパスを披露した。(C)SOCCER DIGEST

 DAZNとパートナーメディアによる「DAZN Jリーグ推進委員会」では、「Jリーグ月間表彰」企画を実施している。スポーツ・サッカー専門メディアが独自の視点で、その月に印象的な活躍を見せた選手やチームを表彰する同賞。サッカーダイジェストWebは「Jリーグ月間ベストアシスト」を毎月選出している。

 9月のベストアシストには、浦和レッズの岩波拓也が第29節のセレッソ大阪戦で披露した"タッチダウンパス"をチョイス。汰木康也のゴールを演出した正確なロングキックを本人に振り返ってもらうとともに、今シーズンのチームについても話を訊いた。

――◆――◆――

【動画】月間ベストアシストに輝いた岩波拓也の正確なタッチダウンパス
 
――第29節のセレッソ戦での、汰木選手へのロングパスを、9月のベストアシストに選出させていただきました。

「ありがとうございます!」

――まずは、あのシーンを振り返っていただけますか? 汰木選手が動き出した瞬間にパスを出したように見えました。

「そうですね。練習からああいう場面はすごく意識していました。映像を見てもらえると分かると思いますが、トラップしたぐらいで(汰木が)走り出しているのは間接視野では見えていました。顔を上げて見てしまったら、周りのディフェンスが反応してしまうと思ったので、あまり汰木選手の事を見過ぎないようにして、大外に蹴るモーションに入った時に相手のサイドバックの身体の向きが外に向いたので、内側を通したという感じです。自分の中では理想的なアシストでしたね」

――汰木選手がそういう動きをするのを頭に入れていたから、間接視野で見えていた?

「ああいう形はチームとしても取り組んできたことですし、イメージはしながらボールを受けるようにしています」

――その後、自身のSNSで父親がロングキックを教えてくれたと投稿されていましたね。幼い頃から練習をしていた?

「キックだけは誰にも負けるなって言われて、家の下にある公園で毎日のように練習していたんです。フェンスに向かってボールを蹴り続けるという単純な練習でしたけど、キック力がついたし、足のどこに当てればどういうボールが飛んでくるというのをそこで覚えられましたね。ただ、右足ばっかりやっていたので、左足もやっていれば、というのはあります(笑)」
 

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