【識者に訊く|JリーグMVP候補】L・ダミアンが最有力!右SBの鉄人と大ブレイクのスピードスターが追走か

2021年10月27日 河治良幸

川崎のストライカーが最有力候補であることに疑いの余地はない

河治氏が推薦するMVP候補。左から山根、L・ダミアン、前田。(C)SOCCER DIGEST

 今季も残すところ5試合となり、いよいよ最終盤を迎えるJ1リーグ。激闘が繰り広げられた2021年シーズンで、最優秀選手賞に輝くのはいったいどの選手か。ライターの河治良幸氏にMVP有力候補3名を挙げてもらい、現時点までのそれぞれのプレーを評価してもらった。

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●レアンドロ・ダミアン(FW/川崎フロンターレ)
今季J1成績:30試合出場・17得点 ※33節終了時点

 17得点というゴール数もさることながら、山根視来に次ぐ8アシストを記録。そうした目に見える結果を考えても、MVPの最有力候補であることに疑いの余地はない。

 加えて前線からの守備と攻撃における存在感は大きく、レアンドロ・ダミアンがいれば苦しい試合でも川崎に勝利をもたらすという安心感や期待感があり、それは対戦相手へのプレッシャーと言い換えることもできる。

 勝利に直結するゴールを挙げれば、枚挙にいとまが無い。終盤戦で横浜を突き放す転機となったACL後の5連戦で5連勝。特に、第31節の東京戦でのヘディングでの決勝ゴールはシーズンのハイライトのひとつだろう。直近でも第33節の清水戦で、マルシーニョとの鮮やかなコンビネーションから決勝点を挙げた。

 来日3年目で最高のシーズンを過ごしているL・ダミアンだが、常に明るく謙虚なキャラクターであり、元ブラジル代表の選手がここまでJリーグに溶け込んでいることも非常に喜ばしいことだ。
 
●山根視来(DF/川崎フロンターレ)
今季J1成績:32試合出場・2得点 ※33節終了時点

 湘南から新加入だった昨シーズンも素晴らしかったが、2年目で見事に過去の自分を超えてきた。

 サイドバックながら10アシストを記録しており、その他にも多くのゴールシーンに起点として絡んでいる。家長昭博との右サイドのコンビはJリーグの歴史においても歴代最強レベルだろう。相手側も常に警戒するべき選手であることは認識しているはずだが、それでも攻め上がってくるタイミング、位置取り、周囲とのコンビネーションなど、的を絞らせない。

 その一方で守備面の安定感も素晴らしく、同サイドの1対1だけでなく、反対側から来るクロスの対応やカバーリングなど、センターバックさながらのディフェンスでチームを救うシーンも多く見られた。

 何よりも特筆したいのはシーズンの過密日程を戦い抜く鉄人のようなタフさだ。リーグ戦においては第21節の横浜FC戦を除く全試合にスタメンで起用されて、31試合でフル出場。代表活動もあるが、オフはしっかり休んでもらいたい。
 

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