青森山田MF松木玖生が「僕が求めるものを持っている選手」に挙げたのは? 「勝負したい」ポジションと課題にも言及

2021年10月22日 安藤隆人

流経大柏との名門対決に4発快勝も険しい表情…「僕は何もしていません」

青森山田のMF松木玖生。来季のFC東京入団が内定した。写真:安藤隆人

 10月17日に行なわれた高円宮杯プレミアリーグEASTでは名門校が激突した。青森山田vs流通経済大柏の高体連同士の一戦は、4-0でホームの前者に軍配が上がった。しかし、青森山田のエース・松木玖生は試合後、険しい表情を浮かべた。

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 多くの報道陣がいるなか、インタビューに呼ばれた彼は「今日、僕は何もしていません。すみません」と言いながらも、質問には凛とした態度でハキハキと答えていた。

 この試合の5日前にFC東京内定が発表され、さらに注目度が上がる中で行なわれたこの試合、松木はチームが快勝を収めるなかで、ゴールもアシストもできなかった。だが、それでも守備面で彼の存在感は際立っていた。

 松木の得意とするプレーはフィジカルと球際の強さ、そして高校に入ってから磨き上げた読みを駆使して、ボランチの位置から前へのプレス、強烈なプレスバックでボールを奪い取り、素早く攻撃に繋げること。この一戦でも彼はコンビを組む宇野禅斗とともに、流通経済大柏の強度の高い攻撃を凌いでいた。

 90分を通して見れば、この試合は4点もの差がつくような試合ではなかった。1-0で迎えた前半途中から後半頭にかけて、流通経済大柏は一歩も引かない攻防を見せて、決定機も作り出した。

 だが、ここで松木と宇野のダブルボランチが立ちはだかった。セカンドボールの回収や相手に自由に前を向かせないプレス、そしてシュートエリアまで食らいついて身体を張る守備を見せたことで、63分には相手DFのコントロールミスを見逃さずにカウンターを仕掛け、そこで得たFKからFW名須川真光のヘッドで追加点をもぎ取り、流れを再び自分たちに引き寄せた。

「僕はこれからボランチとして勝負したいと思っていて、もちろんシャドーでもできますが、ボランチとしてもっと成長していきたいと思っています」

 守備は松木のストロングポイントだ。一方でプレミアEASTの得点ランキングで現在3位(7得点)の結果が示すように、要所でゴールを決める勝負強さを持っているが故に、どちらかというと攻撃的なイメージが強い選手だが、守備の強度こそ彼の魅力である。

「最低限のスキルとして、展開力は自信があるのですが、運ぶ技術というかビルドアップの部分がまだ足りていません。特に囲まれた時にパスでいなしたり、自分で突破したり、時間を作ったりする部分が僕には足りていないと思うので、そこはもっと向上させたいと思っています。それができないことが逆に自分の伸びしろだと思うんです。『これが向上すればもっと成長する』と思えるんです」
 

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