「スぺインやメキシコとの差は…」三好康児が振り返る東京五輪【インタビュー/前編】

2021年10月21日 サッカーダイジェスト編集部

「東京五輪は率直に悔しさが一番に来る大会だった」

東京五輪では悔しさを味わう。しかし、その経験を今後につなげる覚悟だ。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 東京五輪では先発1試合にとどまり、チームをメダル獲得に導けなかった。悔しさを抱えながら迎えた今季、三好康児は例年以上に強い覚悟を窺わせるパフォーマンスを見せ、10月シリーズでは出場はなかったもののA代表に約11か月ぶりに招集された。

「夢」と語るワールドカップ出場へ向けた"新章"に踏み出した24歳の新たな決意表明に耳を傾けてほしい。

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――まずは少し日が経ってしまいましたが、東京五輪を振り返ってもらえますか? どんな大会でしたか?

「率直に悔しさが一番に来る大会でした。メダルに届かず、個人としても満足のいく活躍ができなかった。もっとチームを助けるプレーができたと、悔いが残ります」

――あのチームでは長く10番を背負いましたが、本大会では堂安律選手に譲りました。その点も悔しさが?

「背番号に関しては大会に臨むにあたってチームとして戦うと覚悟を決めてからはそんなに気にならなかったです。もちろん悔しさがまったくなかったと言えば嘘になります。だけど、それ以上にチームの勝利が大切でした。だからこそ、スタメンで出られる試合が少なく、チームに貢献できなかった自分の実力不足を切実に受け止めています」
 
――3連勝でグループリーグを突破したチームは、決勝トーナメントに入ってから苦戦した印象です。主な原因はなんだったのでしょう?

「決勝トーナメントからひとつレベルが上がったというか、負けたら終わりという緊張感のなかで僕ら攻撃陣がなかなか試合を決定づける仕事をできませんでした。僕を含めた先発が限られた選手がチームを助けられなかった影響もあります。疲労を溜めていた選手に代わって出場した時に、同じレベルを維持できませんでした。僕らが力を示せれば、チームとしてもっと余裕を持って試合を運べたはずです」

――準決勝と3位決定戦で対戦したスペイン、メキシコとの差は、選手層というところでしょうか?

「色々ある差のうちのひとつなのは間違いないです。スペインやメキシコはメンバーを変えながら勝ち上がってきました。もちろん彼らも簡単に勝ち上がったわけでなく、疲れもあったはずですが、連戦への意識が高かったんじゃないかなと。僕らは目の前の試合に全力を注ぎ続けましたが、頂点までの6試合を見据えたプレー選択ができなかった。そういう賢さが足りなかったと反省しています」

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