【浦和】G大阪戦で露呈した決定力不足…それでも悲観すべきではない理由

2021年10月17日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

感覚を掴めば、ゴールは次から次に生まれるもの

左サイドから再三、好クロスを供給した山中。チャンスは作れていた。(C)SOCCER DIGEST

 浦和レッズは10月16日、J1第32節でガンバ大阪と対戦。1-1の引き分けで試合を終えた。

 2分の江坂任のシュートをはじめ、前半から何度もビッグチャンスを作っていったが、結局奪ったのは90+1分のPKでの1点のみ。

 待望のゴールを奪った約3分後には、逆にPKを与えてしまい、痛恨の同点ゴールを献上。そのまま試合は終了し、勝利を逃した。

「スルッと勝点2をこぼしてしまった」

 リカルド・ロドリゲス監督は試合後、そう試合を振り返った。

 露呈したのは、明らかな決定力不足だった。

 6分、8分、12分、14分、そして26分と左SBの山中亮輔を起点としてゴールに迫りながらもシュートは枠外に。45分には江坂が、60分には汰木康也がGKと1対1の局面を迎えるも、東口順昭に阻止され、決定機をモノにできなかった。
 
 CFとして起用した明本が30分過ぎに相手との接触で負傷し、途中交代。さらにチーム随一の決定力を誇るキャスパー・ユンカーが、この日は内転筋に違和感を抱え、メンバー外だったのも痛かっただろう。

 さらに終盤にスーパーセーブを連発した東口を褒めるべきである。

今季の目標でもあるACL出場権獲得に向けて、勝利を逃したショックは小さくない。ただし、それほど悲観することはないだろう。

 前後半10本ずつの計20本のシュートを放ったのは、それだけ相手を崩した証拠でもある。

 もちろんシュートテクニックは一朝一夕に劇的に良くなるものではないが、一方で、良い感覚を掴めば、ゴールは次から次に生まれるものでもある。一度蓋を開けると止まらないケチャップに例えられることもある。

 この日、何度も自慢の左足でハイレベルなクロスを供給した山中亮輔は言う。

「チャンスにはなっていますし、本当に点が入っていてもおかしくないようなシーンがたくさんあった。その辺は難しいところですけど、こういうのが決まり出したらもっと上に上がっていくんじゃないかなと思います」

 あとはトレーニングを積み、ディテールを擦り合わせる作業を続けることが肝要だ。細かな共通意識が合ってくれば自然とゴールは生まれる。ナイーブになればなるほど、焦りが生まれ、悪循環に陥るかもしれない。G大阪戦の結果は「こんな日もある」と良い意味で楽観的に捉えてもいいだろう。

取材・文●多田哲平(サッカーダイジェスト編集部)

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