J3からの叩き上げ、大卒の左SB、小柄ながらモダンな左利きCB…来季の“個人昇格”も期待される注目のJ2戦士5選

2021年10月16日 佐藤拓也

得点量産中のスーパーサブも!

左から町田の太田、岡山の上門、山形の中原、琉球の知念、水戸の大崎。(C)SOCCER DIGEST

 33節までを終えたJ2リーグも残すところあと9試合。今季はプレーオフは行なわれず、J1への自動昇格が2チームのみの狭き門となる。一方で、個人的にステップアップを果たして成功する例も枚挙にいとまがない。

 岐阜から神戸を経てセルティックに渡った古橋亨梧や、山形からC大阪に新天地を求めた坂元達裕など、2部リーグからスタートし、代表にまで昇り詰めた選手たちもいる。そんな"個人昇格"の成功例をよく知るフリーライターの佐藤拓也氏に、来季の飛躍が期待されるJ2の優良株、5選手をピックアップしてもらった。

――◆――◆――

●知念哲矢(FC琉球/DF)
今季成績:27試合出場(2411分)・0得点

 リーグ前半戦、堅守を武器に快進撃を見せた琉球。その守備の中心にいたのが知念だ。178センチとCBとしては小柄ながらも、類まれな身体能力を活かした空中戦や、1対1で驚異的な強さを発揮した。また利き足の左足から繰り出すキックで攻撃のリズムを作り出すこともできる。現在は怪我で離脱中だが、シーズンオフの注目株となるだろう。
 
●上門知樹(ファジアーノ岡山/MF)
今季成績:33試合出場(2809分)・8得点

 琉球時代に年間14得点を挙げ、昨季岡山に移籍してきたアタッカー。鋭い動き出しでゴール前に切り込み、強烈なシュートでゴールをこじ開ける。リーグ前半戦はサイドMFでプレーしていたが、途中からFWでプレーするようになり、得点能力の高さをさらに発揮できるようになった。高い攻撃センスはJ1でも十分通用するはずだ。

●大崎航詩(水戸ホーリーホック/DF)
今季成績:20試合出場(1536分)・2得点

 今季、大阪体育大から水戸に加入したルーキー。リーグ序盤は怪我で離脱していたが、復帰以降は左サイドバックのレギュラーに定着。高校時代までボランチを務めていたこともあり、サイドからの組み立てを得意とする。また、身長174センチながらも空中戦に強く、守備力の高さも定評がある。攻守のバランスの取れたサイドバック。大卒1年目ながらもJ1からオファーが届いてもおかしくない。

●中原 輝(モンテディオ山形/MF)
今季成績:32試合出場(2217分)・5得点

 今季J3熊本から加入。切れのあるフェイントで相手を翻弄し、正確無比な左足のキックでチャンスを演出する。特筆すべきは両サイドでプレーできること。ウイング的な役割を求められるなか、右サイドでプレーする場合は中に切り込み、左サイドでプレーする場合は縦突破を狙って、チームに勢いをもたらしてきた。J2個人昇格1年目で大きな自信をつかんでいる。さらなる飛躍なるか。

【動画】7月度の月間MVPも受賞!山形の中原輝、厳選プレー集をチェック!

●太田修介(町田ゼルビア/FW)
今季成績:28試合出場(1386分)・8得点

 プロ3年目の昨季、甲府で31試合に出場し、6得点を挙げてブレイク。そして、今季移籍加入した町田で8得点を挙げる活躍を見せており、特に途中出場した試合では爆発的なスピードを活かしスーパーサブとしてチームに勢いをもたらしている。また、強烈なシュート力という武器も持つ。"二芸"に秀でた太田を欲しがるJ1チームは少なくないだろう。

文●佐藤拓也(フリーライター)
 

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