オーストラリア戦で得た勝点3以上の収穫…中盤の3人は「天晴れ」【コラム】

2021年10月13日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

森保一監督が重要な一戦でシステム変更に踏み切った

インサイドハーフの一角で出場した守田。遠藤、田中とともに中盤を支えた。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

[カタール・ワールドカップ・アジア最終予選]日本 2-1 オーストラリア/10月12日/埼玉スタジアム2002

 3試合消化時点ですでに2敗を喫していた日本にとって、オーストラリア戦は、まさに"背水の陣"となった。

 8分に田中碧のゴールで先制した日本は、69分にFKを決められて一時は同点とされたものの、86分に浅野拓磨のシュートからオウンゴールが生まれて土壇場で逆転。苦しみながらも2-1でオーストラリアに勝利を収めた。

 もうあとがない一戦での勝点3は大きな収穫だったが、内容に目を向ければ、4-3-3システムに計算が立ったのは大きい。

 これまでの予選では4-2-3-1にこだわっていた森保一監督が、この重要な一戦でシステム変更に踏み切ったのだ。

 とりわけ素晴らしかったのは中盤の3枚。アンカーの遠藤航、インサイドハーフの守田英正と田中碧だ。
 
 お互いの立ち位置を把握しつつ、絶妙な距離感を保ち続け、攻守に躍動。ボールを奪えば、すかさず前方にボールを送りカウンターを発動させ、守備となれば鋭い寄せでボールホルダーを囲い込んだ。

 サウジアラビア戦で見られた縦一辺倒の攻撃にも変化が生まれ、流動的なパスワークが生まれていた。

 守田はこう語る。

「守備で奪ってから早い攻撃もできたし、無理にいかずに遅攻も選べた。後出しじゃんけんのような相手を見て判断してやめられるのが、全体的にできた。4-3-3で今までになかったシステムでしたけど、やりたいサッカーは表現できたし、観ていてワクワクしてもらえるようなサッカーができたんじゃないかなと」

 それも、ほぼ"ぶっつけ"の状態で合わせたのだから、天晴れだ。サウジアラビア戦後、リカバリーの日を除けば、わずか2日しかない準備期間で、3人は見事にこのシステムを機能させてみせたのだ。
 

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