森保ジャパンには遠藤保仁のような存在が必要だ! 明神智和が指摘したサウジ戦のわずかな“ズレ”

2021年10月09日 サッカーダイジェストWeb編集部

チャンスがあったわりにはどこか相手ペースに

単調な攻撃になってしまったサウジアラビア戦。明神氏は中盤で変化をつけられる選手の登場を期待している。(C)JFA

 サウジアラビア戦は単調なまま終わってしまったという印象です。

 厳しい結果になったなと。いちファンとしてもショックの大きな試合だったなというのが一番の感想です。

 初戦のオマーン戦でホームで不甲斐ない試合をして、次の中国戦ではなんとか立て直しました。今回のサウジアラビア戦は、最終予選らしさというか、1点を争うような試合になりました。球際だとか、切り替えのスピードだとか、オマーン戦後に指摘した"やるべきこと"はある程度できていたと思います。

 サウジアラビアはかなり組織的にポジションをとってプレーしていました。ボランチのひとりが下りたり、ワイドに張る選手を置いて、そこからインサイドに入ってきたり。もともと技術やスピードのある選手たちが、組織的にプレーしてきて、その部分でサウジアラビアの方が、ボールを意図的に保持できる時間が長くなって、日本は守備に奔走する時間が増えました。

 ただし、中東でのアウェー戦ですし、それも想定内ではあったと思います。

 日本の守備の部分は少しずつ修正できてきていて、サウジアラビア戦でのポジティブな点を挙げるならば、冨安選手や権田選手のプレーは良かったのではないでしょうか。特に冨安選手は、守備でのミスは無かったんじゃないかなというほど、ほぼ完ぺきにプレーできていました。今高校生を教えていますが、本当に参考にしてほしいです。

 その一方で、勝ち切るためには課題があります。特に攻撃面ではどれだけ相手のペナルティエリア内に人とボールが入る回数を増やすのか、修正の必要性を感じます。
 
 サウジアラビア戦では、立ち上がりはチームで共有していたであろう縦に速い攻撃を狙っていました。実際に鎌田選手から大迫選手や、南野選手への縦パスが繋がりチャンスを作りました。

 普段から森保監督が言っている「良い守備から良い攻撃へ」という言葉通り、セオリーとしてボールを奪ったら素早くゴールを目指すというのが大前提で、それは間違っていません。ひとつ目の選択としては悪くなかったと思います。

 チーム全体としても、初戦のオマーン戦に比べてある程度まとまって戦っていたと思います。ただ、まだボールの出し手と受け手ふたりの頑張りというか、個々が頑張っている状況に見えます。

 そのため、次の一手が生み出せなかった。縦に速い攻撃一本になってしまったので、相手のFWや中盤のラインが自陣に戻ってプレーする時間が少なく、日本もボールを簡単に失ってしまい、チャンスを作ったわりには日本の流れにならず、どこか相手のペースで進んでいると感じられる展開になってしまいました。

 セカンドボールも上手く拾えず、2次攻撃、3次攻撃と繋がらない。チーム全体の連動性は乏しかったように感じます。
 

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