「原動力は悔しさや怒り」日本代表DF中山雄太が最下位に沈むズウォーレで奮闘。東京五輪で掴んだのは「酒井宏樹という基準」【現地発】

2021年10月04日 中田徹

「ネガティブになっていいことはひとつもない」

最下位に沈むズウォーレで奮闘を見せている中山が現状を語った。(C)Getty Images

 今シーズン、不振を極めているズウォーレは10月2日、ヘーレンフェーンとホームで対戦し、0‐1の敗北。勝点1の最下位に沈んでいる。

 ズウォーレには先制する機会が幾度もあったが、フィニッシュの精度が低く、どうしてもゴールが決まらない。50分にはストライカーのスロボダン・テディッチが、ターンから強烈なシュートを放ったものの、GKハビエル・ムースの好セーブに阻まれた。

 サッカーとは不思議なスポーツだ。勝ち癖を失ったチームは、思わぬ形で決勝ゴールを奪われる。後半開始からシュートゼロが続いたヘーレンフェーンに対して、63分にオウンゴールを献上してしまうのだ。
    
 この日、左サイドバックとしてフル出場した中山雄太は、「僕も日本(柏レイソル)で残留争いをしたことがありました。怪我をしていて試合に出られず、より客観的にゲームを見ることができました。(今日のズウォーレは)『前半は良かったのに…』とか、残留争いするチームがする典型的な試合展開だったと思います」とヘーレンフェーン戦を振り返った。

「今のチーム状況をネガティブに考えようと思ったら、いくらでもできます。例えばチャンスを作っている中で、本当にゴールを決めるという気持ち。得点が8試合で2点ですし、守備でもそうですが、本当に最後のひと踏ん張りが必要。そこをどう捉えるかですね。だけど、ネガティブになっていいことはひとつもないので、課題に対してポジティブにしっかり見つめる意識が大事なのかなと。僕からしたら、結局は練習がものを言うので、どれだけ一人ひとりが練習から意識できるかが大事だと思っています」

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 中山が心がけているのは、「一つの大きなピースになる」ということ。チームは11人のピースの集合体。サッカーというスポーツは個々のピースが大きくなればなるほど、ピッチの上でのパフォーマンスが高まるはずだ。

「僕が意識しているのは、より得点に絡んだり、後ろに安定感をもたらしたりすること。(今の状況を)軽く捉えているわけではないですが、周りを気にしすぎて自分のプレーが疎かになるのが一番よくない。結局(個々の選手は)一つのピースでしかない。試合に出ている11人の、一つひとつのピースが大きければ大きいほどいいという意識でやっています」

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