特大のポテンシャル!ガーナにルーツを持つ189cmの中3FWに、U-15日本代表・廣山監督も期待大!

2021年10月04日 松尾祐希

大宮U15の磯崎麻玖がU-15日本代表合宿の鹿島ユース戦で2発!大柄だが小技も持ち合わせるストライカー

U-15代表候補合宿で鹿島ユースから2得点を挙げた磯崎。写真:松尾祐希

 早い段階から注目され、その後も成長を遂げてステップアップしたタレントは少なくない。15歳でJリーグデビューを果たした久保建英(マジョルカ)もそのひとりで、中学時代から大人に近いメンタリティを持って成長を続けていった。一方で期待に応えられず、ひっそりと消えていく選手も少なくない。とりわけ子どもと大人の狭間にいる中学校3年生は多感な時期を過ごしており、心も身体もまだまだ未成熟。大成するか否かは本人の自覚に加え、周囲の大人がどう関わっていくかも重要になってくる。
 
 現時点でどんなキャリアを歩んでいくかは分からない。しかし、持っているポテンシャルは一級品。中3の時点で189cmのサイズを持っているとなれば、期待せずにはいられない。大宮アルディージャU15の磯崎麻玖がU-15日本代表候補合宿で示した可能性は無限大だった。

 9月26日から福島県のJヴィレッジで行なわれた活動に参加すると、28日の鹿島ユースとのトレーニングマッチ(35分×3本)では2ゴール。「途中出場の中で2得点に絡めたので、自分としては良いプレーができたと思う。だけど、守備や攻撃の場面でアクションが少なかったので、まだまだできる場面が昨日の試合ではあった」と、結果に満足しつつも課題を口にしていた。

 その中で迎えた合宿最終日に実施された仙台育英高との練習試合(35分×3本)。2本目から2トップの一角で出場した磯崎はサイズを生かしたボールキープと、推進力を生かした背後への抜け出しで存在感を発揮する。同学年の選手たちと比べれば、サイズは一目瞭然で、大人と子ども。長い手足をうまく使って相手にボールを触れさせず、大きなストライドを生かした裏抜けも簡単には止められない。32分にはMF佐藤龍之介(FC東京U-15むさし)のパスを右サイドで受けて単独で突破。力強いドリブルで相手を置き去りにすると、ゴール前に走り込んだ佐藤にリターンパスを出してゴールをアシストした。

 また、磯崎は大柄な選手によくありがちな足下の技術がないタイプではなく、足裏を使ったパスやヒールパスなどの小技も持ち合わせている。本人は「テクニシャンのタイプではない」と謙遜するが、意外性のあるキックでチャンスメイクの役割もこなして、再三にわたり相手の裏を突いた。

 しかし、攻撃センスを発揮した一方で、課題も見られた。ゴール前の精度や状況判断は改善の余地があり、守備の意識もまだまだ不足している。そして、90分間走り続けるための運動量や189cmのボディに見合うフィジカルも身に付ける必要があり、やるべきことは多い。
 

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