【セルジオ越後】スタメンや戦術は敵も分かり切っているが…とにかく最低勝点4! 南野には自分の価値を示してほしい

2021年09月29日 サッカーダイジェストWeb編集部

“ベストメンバー”で戦ってきたチームだから敵も分かり切っている

越後氏も期待を寄せる南野。前回9月シリーズでは体調不良で出場はなかった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 10月上旬に行なわれるワールドカップ(W杯)アジア最終予選のサウジアラビア戦、オーストラリア戦の日本代表メンバーが発表されたね。ほとんど"不動"のメンバーだけど、今回は久保と古橋が負傷離脱。伊東も累積警告で1戦目のサウジ戦が出場停止と攻撃陣には不安が漂っている。その一方で、9月に招集のなかった五輪代表組の田中碧と橋岡大樹を選出し、普段より多い25人を招集した。

【PHOTO】最終予選、9月のメンバーは?
 森保監督も言っていたが、招集メンバーを多めにしたのは前回9月シリーズの反省から。急な離脱者が出てもコロナ禍のいまは、追加招集した選手をすぐに呼び寄せられるとは限らないからね。これに関しては良い判断だったと思うよ。

 ただし、選手を呼んでも使わなければ意味がない。今回の上位2チームとの対戦は、グループ2枠に入るために、絶対に落とせない戦いになる、いわゆる"6ポイントマッチ"。こういう重要度の高いゲームでは、どんな監督でも冒険はしにくくて堅い試合になりがちだけど、これまで2次予選でも常に"ベストメンバー"で、ほぼ同じシステム、同じ戦術で戦ってきたチームだからね。だいたいどんなメンバーになるのかは予想がつくよ。

 ゴールキーパーは権田だろう。ディフェンスは長友、吉田、冨安、酒井。ボランチは大黒柱の遠藤と信頼の厚い柴崎。2列目は前述した3人がいないとなると、南野、鎌田、堂安。もしくは堂安ではなく、伊東と同タイプの浅野かな。そして1トップは大迫だろう。

 正直、相手もとくに詳しいスカウティングとかしなくてもこのメンバーで、こう戦うだろうって分かり切っているんじゃないかな。逆に、相手(日本)は追い込まれているからと、考えすぎて混乱してくれればいいけどね。

 とはいえ、どんなメンバーで臨もうと日本は最低でも勝点4をもぎ取らなければ、2位以上に浮上できない。勝点でトップに追いつくためには連勝が必須になる。仮に初戦のサウジ戦を落として3連勝の豪州と対戦するようなシチュエーションになったら、相当厳しい状況だ。今後を考えれば2引き分けでも厳しいだろう。ノルマは勝点4。これを達成できなかったら、協会も次の監督を考えるべきだろうけど、すぐに見つかるとも思えない。また"同じ光景"を見ないように、勝ってくれることを祈るしかないね。
 

次ページ2次予選でゴールを取り続けても肝心の最終予選で取れなければ…

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