吉田&冨安の後継者へ! パリ五輪世代のディフェンスリーダー候補が追求する「ラスボス」感

2021年09月27日 安藤隆人

関東リーグ上位の法政大相手にも冷静な対応。順天堂大DF山﨑大地が目指す境地とは?

順天堂大DFの山﨑。10月のU-23アジアカップ予選に臨むU-20日本代表候補のひとりだ。写真:安藤隆人

 9月25日に行なわれた関東大学サッカーリーグ17節の法政大対順天堂大戦。順大が0-1のビハインドで迎えた後半アディショナルタイムで提示された6分のうち、4分が経過しようとしていた時、順大は右サイドでFKを得た。ボールをセットしたMF安島樹がライナー性のボールを蹴り込むと、ニアでMF小林里駆がすらし、ゴール前に飛び込んだCB山﨑大地が豪快に蹴り込んで、土壇場で同点に追いついた。

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 結果は1-1。執念とも言える同点弾を挙げた山﨑は、直前の守備でも相手の決定機を阻み続けるなど、自らの殊勲のゴールへの糸口を作り出していた。

 1点リードを奪いながらも追加点を奪えないでいた法大は62分にFC町田ゼルビア内定の屈強なFW佐藤大樹に代えて、俊敏性とテクニックに富んだFW飯島陸を投入。佐藤に対して空中戦や球際で勝負を挑み、跳ね返してきた山﨑は、タイプが全く違う飯島に対しても冷静に対応をした。

 65分過ぎ、山﨑はボールを持った飯島に対して寄せに行くと、裏に走り込んだ左サイドハーフの田中和樹(京都サンガF.C.内定)にスルーパスを出された。だが、その瞬間に山﨑は鋭いターンを見せると、ダッシュで戻り、田中に渡って運ぼうとした瞬間に見事なスライディングでボールをからめ取った。

 さらにその直後の73分には飯島のシュートのこぼれ球を拾ったFW中川敦瑛が抜け出してGKと1対1に。中川がシュートモーションに入った瞬間に、猛ダッシュで戻ってきた山﨑がスライディングでシュートコースに入ると、彼の足に当たったボールが後ろにこぼれた。中川が反応してこぼれ球を押し込もうとするが、山﨑は起き上がりながら中川に腰を当ててブロックしたことで、GK後藤佑介が前に出てボールを掴むことができた。この3度に渡るスーパープレーの後に同点弾は生まれた。

「僕が意識をしているのは、『自分がやられなければチームは負けない』というラスボス感を持つことなんです」

 サンフレッチェ広島ユース時代は攻撃力と守備力を兼ね揃えた選手だった。順大に来てからはカバーリングやラインコントロールに磨きをかけて、総合的な能力の高いディフェンスリーダーとなった。

 3年生である彼の生年月日は2001年1月8日と、パリ五輪の対象年齢(2001年1月1日生まれ以降)でもある。

「東京五輪を見ていて、2CBがA代表の中心選手でしたが、同世代だと瀬古歩夢などがいました。同世代がメンバーに入っているということは、自分はもっとやらないといけないし、悔しさと次のパリ五輪は出たいという気持ちは強くなりました」
 

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