自ら愛車を運転しマジョルカに戻ってきた久保建英。同僚たちが感じたピッチ内外の変化とは?「自信、フィジカル、守備、そして特に…」【現地発】

2021年09月25日 エル・パイス紙

指揮官は「みんなから愛されている」

攻t撃の中心としてプレーしている久保。マドリー戦後に故障離脱が決定した。(C)Mutsu FOTOGRAFIA

 タケ・クボ(久保建英)がマジョルカ復帰後、初めての練習に臨んだ日、前回在籍時と変わった点がある。愛車は同じ黒色のアウディのSUVモデル。しかし当時と異なり、母親による運転ではなく、自らハンドルを握って練習場に到着した。この2年の間に、タケは運転免許を取得していたからだ。

 当初は住居についても、前回と同じスタジアムの近くにある家で暮らしたい意向を持っていた。しかしすでに他の人間によって使用されており、そこでレアル・マドリーのフロレンティーノ・ペレス会長が船を係留し、まだ少年だったマルコス・アセンシオと知り合った場所としても知られるプエルト・ポルタルスを引っ越し先に選んだ。

「この街のことはもう全部知っている。道も覚えているしね」

 タケは復帰時にクラブのスタッフにこう語ったという。今夏、レアル・ソシエダをはじめより高い目標を持つクラブからオファーが届いていた中、マジョルカを新たなレンタル先に選んだのも古巣への愛着があった。

 ルイス・ガルシア監督もその親密ぶりに感じ入ったひとりだ。「初日から笑顔を浮かべていた。誰彼なしに挨拶をしてはグータッチを交わしていた。タケのような若い選手にとっては特に嬉しいことだろう。クラブスタッフ、ファン、指導者、チームメイト、みんなから愛されている」

【動画】さすがのクオリティ!久保建英が巧みなダブルタッチで出した絶妙の縦パス
 
 クラブ関係者によると、タケ自身の "攻撃性"にも磨きがかかっているという。「(マノ―ロ)レイナにいつも絡まれている。ただ前回在籍時は軽くあしらう程度だったけど、いじり返すまでになっている。復帰した直後からね」

 さらにこう続ける。

「タケは試合に出られる環境を求めて復帰してきた。マジョルカではサッカーにしっかり取り組んでいけば、重要な選手になれるという確信があったんだ」

 日本のJリーグ、浦和レッズの監督を務めるリカルド・ロドリゲスが重要視するのが「プレー環境」だ。

「東京五輪の日本代表は彼を中心に回っていた。スペインでそこまでのステータスを得るのはさすがに難しいだろう。でも成長を後押しできるような環境を提供することは可能なはずだ。彼は今後長く日本サッカーを背負って立っていく選手だ。ヨーロッパでも同様の存在になれるかどうかは現時点ではまだ分からない」

【動画】ヒールでボールを浮かせて…久保建英が披露した驚愕のテクニック

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