「タケが最も危険な存在だった」久保建英の古巣ビジャレアル戦を敵の番記者はどう見た?「1年前と違うのは…」【現地発】

2021年09月21日 ハビエル・マタ

「幸せな日々を過ごしていることは、プレーを見ていても想像がついた」

古巣のビジャレアルを相手に脅威を与えた久保。(C)Mutsu FOTOGRAFIA

 今回のビジャレアル対マジョルカ戦は、タケ・クボ(久保建英)にとって古巣対決ということでスペインでも注目されていた。

 昨シーズン、ウナイ・エメリ監督になかなか出場機会を与えてもらえなかった。そんな相手を向こうに回し、活躍を見せる。タケにとってはリベンジマッチの意味合いもあった一戦だった。

 試合は立ち上がりからビジャレアルが試合をコントロール。マジョルカは少ないチャンスを得点に繋げることに活路を求めていたが、そんな中で最も危険な存在となっていたのがタケだった。

 チーム全体で右サイドの攻撃をタケに託すという約束事が確立され、スピードと技術を武器に果敢に相手DFに立ち向かっていった。守備でもハードワークを披露し、試合に全力で入り込んでいる姿が印象的だった。

【動画】さすがのクオリティ!久保建英が巧みなダブルタッチで出した絶妙の縦パス
 惜しむらくは、パスを出すにしてもシュートを打つにしても最後のところで思い切りの良さを欠いていた点。ゴール前まで持ち込んだシーンは何度かあったが、フィニッシュに繋げることができず、ビジャレアルのゴールを割るには至らなかった(試合はスコアレスドローで終了)。

 タケがマジョルカで幸せな日々を過ごしているだろうことは、プレーを見ていても想像がついた。すでに攻撃の中心選手として君臨し、ボールも自然に集まってくる。チームメイトの信頼を得て心地よくプレーしている姿がそのまま、他のクラブからもオファーが届いていた中、昇格組のマジョルカを新天地に選択した疑問への答になっている。

 この日は周囲のサポートに恵まれなかったが、相手の守備をこじ開けようと懸命にプレーし続けていた。先述した通り、ゴール前で思い切りの良さを欠いて、その隙を突かれボールを奪われるシーンもあったが、ビジャレアルの守備陣に脅威を与えていた。

 1年前に加入したビジャレアルは、マジョルカよりもレベルの高い選手が揃っている。そんなレベルの高いチームメイトと一緒にプレーすることでタケの成長が後押しされると考えられたが、その青写真通りに事は運ばなかった。

 出場機会に恵まれず、起用されてもアピールしなくてはいけないという気持ちが強すぎて、慌ててプレーしている印象もあった。それは1月に移籍したヘタフェでも同様で、そこがまた現在のマジョルカでの姿との大きな違いでもある。

【動画】ヒールでボールを浮かせて…久保建英が披露した驚愕のテクニック

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