「皆さんが想像もできないような長友を…」。FC東京復帰の長友佑都が明かした移籍決断の理由と野心

2021年09月12日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「自分のポジションがあるとは思っていない」

11年ぶりに青赤のユニホームを着用した長友。精悍な顔つきが印象的だ。写真:FC東京

 2021年9月12日、自らの誕生日と同じタイミングでFC東京への完全移籍を発表。「誕生日と発表が重なったのは偶然」と言う長友佑都が11年ぶりに青赤のユニホームを着用してクラブ主催のリモート会見に臨んだ。その場で精悍な表情を見せた35歳のベテランDFは、移籍決断の理由を次のように話した。

「国外、国内も含めて僕に興味を持ってくださって、話をいただいたチームもありましたが、そのなかでも自分が愛するクラブであるFC東京から正式にオファーをいただき、そしてクラブの熱意やビジョンに心を動かされたので、力になりたいと」

 FC東京のビジョン、これはいったい何を指すのか。その質問に対して、長友はこう説明している。

「本気で優勝を目指していく。今季はJリーグ優勝は厳しいと思いますが、まだルヴァンカップが残っているので、そこで頂点を狙う。あとは来年ですね、Jリーグで優勝していく、本気のチームを作っていくというところに惹かれた部分があります」

 FC東京で活躍し、来年のワールドカップで最高のパフォーマンスを見せる。そうした思いも抱く長友は、海外での厳しい経験を経て、そこで培ってきたものをJリーグの試合や代表戦で示すつもりだ。
 

 ただ、言葉だけで伝えるつもりはない。まずはプレーでこれまでの生き様を見せつけたうえで、そこに言葉を乗せていくというスタンスだ。そもそも「ここに帰ってきたからといって、自分のポジションがあるとは思っていない」。いわば真っ白な状態からスタメン争いに挑み、その競争に勝つことで成長することを望んでいる。代表戦での自身のパフォーマンスがいまひとつという批判もあるなかでも、長友は前を向く。

「これまで批判をエネルギーに変えて成長してきました。僕にとって、批判は仙豆みたいなもので、『もっとください』という感じです。そのエネルギーを糧にしてピッチで見せつけるマインドで戦っています。これから皆さんが想像もできないような長友を見せられるように頑張りたいです」

 チームのために戦う、1対1で負けない、攻撃に向かう姿勢を見せつつ、「どうやってチームを勝たせるのか、どうやってチームメイトを鼓舞するのか」という部分にもトライしたいと話す。

「長友がいたら大丈夫だよねと、そう思われるプレーヤーになりたい」

 FC東京にどのような効果をもたらすか。長友の新たなキャリアがスタートする。

構成●サッカーダイジェスト
 
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