苦い思い出が甦る“中東での戦い”… 勝利が欲しい中国戦で森保ジャパンのキーマンとなる選手は?

2021年09月07日 佐藤俊

9月の中東で思い出されるフランスW杯最終予選。「こんなところでサッカーできねぇよ」と言ったのは…

初戦を落とし、負けられない2戦目の中国戦に臨む日本代表。果たして、中東の嫌なムードを払しょくできるか。写真は、左上から時計回りに、久保、大迫、森保監督、守田。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 カタール・ワールドカップ最終予選、オマーンに敗れ、カタールで2戦目となる中国戦に臨む日本代表。ホームでの敗戦の気持ちをリフレッシュして、コンディションを整えてといきたところだが、今回の中国は侮れない。

 FWエウケソンら帰化した選手を加え、チーム力を各段にアップさせてきた。
 
 また、中国は、コロナ感染症対策で外国人の入国が厳しく制限されているので、W杯最終予選のホームをすべて中立国、ドーハを起点に試合を行なうことを決めている。

 今回も8月26日からカタールで合宿をスタートさせ、現地の厳しい暑さに順化させてきた。

 2017年に完成し、ピッチ上まで冷房が完備されたスタジアムで迎えた初戦の豪州戦は0-3で敗れたが、動き自体は悪くなかった。長距離移動してきた日本よりは、はるかにコンディションが良く、スタジアムを知り、気候にも慣れるなど戦う上で優位性を持って中国は日本を待ち受けている。

 森保一監督になってから中東で戦うW杯最終予選は初になるが、思い返せば日本はいつの時代も「この地」で厳しい戦いを強いられてきた

 9月の試合で思い出されるのは、フランスW杯最終予選、2戦目のアブダビで行なわれたUAE戦だ。高温多湿で試合会場はモヤがかかり、座っているだけでシャツが汗でびしょびしょに濡れ、こんなところでサッカーをしたら死者が出るのではと本気で思ったほどだ。実際、試合での日本の選手はもちろん、ホームのUAEの選手も動けないほどで、スコアレスドローで終えてラッキーと思えた試合だった。試合後、名波浩が「こんなところでサッカーできねぇよ」と疲労困憊の身体で語ったのが印象的だった。

 ジーコジャパンの時は、ドイツW杯最終予選2戦目となるアウェーのイラン戦が忘れられない。

 10万人もの男性ファンでスタジアムが埋まり、大声援を繰り広げ、その雰囲気は恐怖すら感じた。当時のイランの主力選手は欧州で活躍し、アジアでも頭ひとつ抜けた存在だった。その力にファンの後押しが重って試合では圧倒され、1-2で敗れた。試合後、キャプテンの宮本恒靖は「経験したことがない強烈な威圧感を感じた」と語ったが、圧倒的なアウェーを肌で感じたのは、このイラン戦が今も断トツだ。

【PHOTO】W杯アジア最終予選オマーン、中国戦に臨む日本代表招集メンバー24人

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