総体ベストイレブン!今大会の主役・松木玖生など青森山田から最多4名を選出。得点王に輝いた2年生FWも

2021年08月24日 松尾祐希

GK・DF――堅守で青森山田を苦しめた米子北から2名のDFを選出

ユースライター・松尾氏が選んだ今インターハイのベストイレブン。写真:田中研治、松尾祐希

 2年ぶりに開催された夏のインターハイは青森山田の16年ぶり2度目の優勝で幕を閉じた。"コロナ禍"の開催となった中で、大会は序盤から各チームが熱戦を展開。優勝候補の一角だった流経大柏や前橋育英が早々に姿を消した一方で、大迫塁と福田師王を擁する神村学園が鹿児島県勢としては7年ぶりにベスト8に勝ち上がった。その神村学園を準々決勝で撃破した米子北は粘り強い戦いで2007年度以来となる準優勝を達成。決勝では青森山田に延長終了間際の失点で敗れたものの、準決勝まで28得点・2失点の相手から今大会初めてリードを奪って土俵際まで追い詰めた。

 そこで本稿では高校生の真夏の祭典において、輝きを放った選手をピックアップ。ベストイレブン形式で一挙に紹介する。100回目を迎える今冬の高校サッカー選手権やプロの世界で活躍を予感させる選手たちのさらなる飛躍に期待したい。

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【PHOTO】惜しくもインターハイ本大会出場を逃がした逸材たち
GK
山内友登(星稜/3年)
手足の長さを生かしたセービングと思い切りの良い飛び出しが武器にゴールを守り、チームに準優勝を果たした2007年度以来となる4強入りをもたらした。クロスボールへの対応も良く、躊躇なく前に出る度胸も好印象で守備範囲も広い。準々決勝の岡山学芸館戦でも安定したプレーを披露し、守護神としての役割を全うした。

DF
丸山大和(青森山田/3年)
「身長が180cmない中で、すごく逞しくなってくれた」と、黒田剛監督が賛辞を送った優勝の立役者のひとりだ。青森山田らしくゴールを隠した守備と空中戦の強さで最終ラインを統率し、攻めても得意のヘディングから得点を狙う。米子北との決勝ではセットプレーで強さを発揮。後半終了間際に同点弾を奪い、延長後半のラストプレーに決勝ゴールを奪うなど、ここ一番での勝負強さが光った。

DF
鈴木慎之介(米子北/3年)
大宮U15出身のCBはタフな守りでチームの躍進を支えた。今大会はキャプテンとしてリーダーシップを発揮しつつ、身体を張った粘り強い守備で準優勝に貢献。打点の高いヘッドで相手の攻撃を跳ね返すだけではなく地上戦でも強さを発揮し、青森山田との決勝では今大会30得点を奪った相手と互角以上の勝負を演じた。

DF
海老沼慶士(米子北/3年)
正確な左足でチャンスを演出した左SBだ。機を見たオーバーラップからクロスを上げるだけではなく、セットプレーのキッカーとしても質の高いボールを入れ続けた。また、ゴール前に鋭いボールを入れる強肩の持ち主で、ロングスローの名手としても活躍。決勝の青森山田戦では攻撃面だけではなく、粘り強い守備で強力アタッカー陣に適宜対応し、攻守両面で好パフォーマンスを見せた。

DF
日髙華杜(大津/3年)
飛んで、走って、当たり負けもしない。兄の修杜さん(法政大4年)が走り幅跳びで熊本県の高校記録を作るなど、陸上一家で育った右SBが夏の檜舞台でポテンシャルを存分に発揮した。抜群の身体能力を生かした攻め上がりは迫力満点で、守備では身体の強さを生かした対人プレーの強さで相手のアタッカー陣をシャットアウト。今後の成長が楽しみなタレントのひとりだ。
 

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