青森山田、衝撃の強さ! 静岡学園をシュート0本に抑える"完勝劇”を支えた最強ボランチコンビの働きぶり

2021年08月21日 松尾祐希

静岡学園の川口修監督も「気持ちいいぐらいの完敗」

2得点を挙げた松木は守備でも隙を作らず、静岡学園の攻撃を封じ込めた。写真:松尾祐希

[インターハイ準決勝]青森山田4-0静岡学園/8月21日(土)/日東シンコースタジアム丸岡サッカー場

 シュート11本で4得点を奪い、打たれたシュートは0。青森山田の牙城は、優勝候補のひとつに挙げられていた静岡学園を持ってしても崩れなかった。
 
「前線から守備を構築し、ハイプレスでボールをうまく奪ってカウンターに繋げられた。100点満点のゲームでした」
 普段は辛口で知られる黒田剛監督も称賛するほどの内容で、決勝に駒を進めた。

 一昨冬の高校サッカー選手権決勝と同じ顔合わせとなったインターハイの準決勝。シュートを1本も撃たせない完璧な試合運びで青森山田が見事にリベンジを果たした。

 試合は終始、青森山田のベース。付け入る隙はまるでなく、攻守で静岡学園を圧倒した。2トップの渡邊星来(3年)、名須川真光(3年)が高い位置から追い回し、相手の余裕を奪う。ビルドアップを思うようにやらせず、苦し紛れに出させたボールのほとんどは、松木玖生(3年)と宇野禅斗(3年)のダブルボランチが回収。突破力に長けたサイドのMF古川陽介(3年)、MF川谷凪(3年)にボールが入ったとしても、SBだけではなくサイドハーフの田澤夢積(3年)、藤森颯太(3年)がプレスバックをする。

 常に数的優位の状況を作り、前にボールを運ばせなかった。それでも入ってきたクロスボールや前線への縦パスには丸山大和(3年)、三輪椋平(3年)のCBコンビが対応。圧倒的な球際の強さでゴールエリアに入れさせず、DFのブロックに阻まれてカウントされなかったシュートですら1本もなかった。

 良い形でボールを奪えば、スムーズに攻撃へ移行できるのは自明の利。松木と宇野が素早く、前にパスを配給して2トップのふたりやサイドへ展開していく、一気に攻撃のテンポを上げると、前線の4人だけではなく松木や宇野もゴール前へ雪崩れ込む。13分に奪った松木の先制点もショートカウンターから。藤森が右サイドを突破して折り返すと、中央で田澤がスルーし、3列目から走り込んだ松木が蹴り込んだ。2点目も松木が左サイドに展開し、田澤の折り返しを那須川が決めるパターン。シンプルに攻撃を繰り出し、効率よく得点を重ねた。

一気に流れを引き寄せると、後半に入っても集中力は途切れない。最終盤に2失点を喫した準々決勝(東山/5○2)での反省点を生かし、最後まで手綱は緩ませない。後半開始直後の4分に松木が直接FKをねじ込み、終了間際には途中出場の小原由敬(3年)が加点。反撃する隙を与えず、静岡学園の川口修監督が「球際、先を読む力が全然違うなと感じた、気持ちいいぐらいの完敗」というほどの完勝だった。

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