【インターハイ準決勝展望】星稜対米子北、青森山田対静岡学園。注目選手や展開予想など見どころを紹介!

2021年08月20日 安藤隆人

星稜×米子北|両10番の働きがキーポイント!

星稜対米子北は選手権とインターハイで何度も顔を合わせている因縁の組み合わせとなった。 (C)SOCCER DIGEST/田中研治

 いよいよ残すところ3試合のみとなったインターハイ。8月21日に行なわれる準決勝の顔合わせは星稜(石川)対米子北(鳥取)、青森山田(青森)対静岡学園(静岡)で、4チームはいずれも過去のインターハイでファイナリストを経験しているチームだ。ここではこの2試合をそれぞれプレビューしていきたい。

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●星稜×米子北
 選手権とインターハイで何度も顔を合わせている常連校同士の組み合わせとなったこの対決は、ともに10番のボランチがキーマンとなる。星稜の10番・岡田伯斗(3年)は、派手さこそないが、相手の嫌なスペースに入り込んでピンチの芽を摘んだり、フリーランニングで相手を引きつけて味方のスペースを作るなど、まさに影のキープレーヤーと言える存在だ。

 もともと今年のチームにおいて攻守の要と期待され、当初は安定した足下の技術を生かしたゲームメーカー的な存在だった。だが、就任3年目の河合伸幸監督と、選手権初優勝時に監督代行を務め、今年からコーチに復帰した木原力斗コーチの、ハードワークをいとわないチーム作りの過程のなかで、その力だけではなく、駆け引きや周りとの連携を磨いていき、いかに味方の持ち味を引き出すかに岡田自身がフォーカスを当てるようになった。
 
 彼が時には光の存在になり、時には影の存在になることで、チームの安定感は格段に増した。岡田に引っ張られるように、ボランチコンビを組む河合伸悟(3年)、昨年の選手権経験者であるGK山内友登(3年)、CB中村実月(3年)の安定感が向上。さらに、伊藤大雅(3年)と山崎陸成(3年)の2トップの連係も磨かれたからこそ、今回の躍進に繋がっている。

 一方、米子北の10番はボランチの佐野航大(3年)。町田ゼルビアの佐野海舟を兄に持つ彼は、今年に入って磨き上げた守備と、奪ってからの切り替えの早さ、ドリブルとパスセンスに秀でたハイスペックな選手だ。戦況も冷静に読み取れる眼を持つ彼が、ポジショニングを細かく修正をしながら全体のバランスを取り、左サイドの木村愛斗(3年)と右サイドの渡部颯斗(3年)の突破力に長けた両サイドハーフの仕掛けや、前線の2トップをサポートする。

 2トップは片山颯人(3年)と福田秀人(2年)のコンビが3回戦、準々決勝と出場しているが、ベンチには小橋川海斗(2年)、橋本淳史(3年)、牧野零央(3年)というアタッカーが揃っており、後半からの畳み掛けも今年のチームの武器となっている。

 いずれにせよ、10番の活躍がキーとなるこの一戦。因縁の戦いはどちらに軍配が上がるのか、非常に楽しみな戦いだ。
 

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