「タケが登場した瞬間、雰囲気が変わった」久保建英の“復帰戦”をマジョルカ番記者はどう見たのか? 【現地発】

2021年08月16日 エレナ・ガルシア

ウォーミングアップを始めると、大きな拍手が巻き起こった

加入から3日後のベティス戦で復帰戦を飾った久保。(C)RCDM

  マジョルカ入団後、わずか3回の練習を経てタケ・クボ(久保建英)がラ・リーガ開幕節のベティス戦でデビューを果たした。

 この一戦の注目選手のひとりがタケだった。そんな中、キックオフ1時間前にマジョルカの招集メンバーが発表され、その中にタケの名前も記載されていた。11日にチームに合流し、チームメイトたちと初対面を果たしてから72時間後の出来事だった。

 出番は、ベティスが1-1の同点に追いつき、試合を振り戻した直後の61分だった。アンヘル・ロドリゲスに代わり、ピッチに送り出された。試合は完全にベティスのペースで、マジョルカはいうなればノックダウン状態にあった。しかしその瞬間、スタジアムの雰囲気が変わった。

 すでにタケがウォーミングアップを始めると、大きな拍手が巻き起こっていたが、この日、ソン・モイスに駆け付けた6279人の観客が最も沸いた場面の一つでもあった。タケにとってもほぼ1年ぶりのマジョルカのユニホームを着てのプレー。心に期するものがあったはずだ。

【動画】久保建英がぶっつけ本番で途中出場したマジョルカ対ベティスのハイライト
 ルイス・ガルシア・プラサ監督としては、試合の流れを変えようと、切り札を投入した格好だろう。タケが配置されたポジションは左サイド。右サイドに比べて不慣れなポジションだが、その約10分後、ラーゴ・ジュニオルの投入に伴い、中央にポジションを移した。

30分余りのプレータイムで、タケはドリブルでDFを置き去りにするなど才能の片鱗は見せた。最大の見せ場は75分のFK。自らの仕掛けから奪ったチャンスだったが、直接狙ったシュートはバーの上を通り過ぎていった。その後は大きな見せ場はなく試合はそのまま1-1でタイムアップ。同点に追いつかれた後は終始ベティスのペースで、なかなかタケが輝く余地がなかった。

 もっとも、この一戦に限っては、内容云々よりも、試合に出場したことを重要視すべきだろう。L・ガルシア監督も試合後、一定の評価を与えるコメントを口にしている。

「特筆すべきは実践感覚が養われている点だ。コンディションも良さそうだ。五輪で連戦をこなし、ほぼ90分間のフル出場を果たしてきたからね。実際、今日の試合でも、実践感覚という点では他の何人かの選手を上回っているようだった。ただ何分、合流してから3日間しか経過していない」


【動画】久保がまさかの自転車で登場!マジョルカのウェルカムムービー
 

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