コカイン陽性で12年間の出場停止…柳沢敦の元同僚FWが46歳でまさかの“現役復帰”へ

2021年08月15日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

サンプドリアでは歴代3位の110得点

サンプドリア時代のフラーキ。柳沢とも共にプレーした。(C)Getty Images

 12年という長い処分は、引退通告のはずだった。だが、プロの舞台でなくとも、彼はもう一度「サッカー選手」として活動することを決めた。

 イタリア紙『Gazzetta dello Sport』は8月14日、かつてセリエAで活躍した46歳のフランチェスコ・フラーキが、アマチュアリーグで"現役復帰"を遂げたと報じている。

 フラーキは1990年代から2000年代にかけ、フィオレンティーナやサンプドリアで活躍したストライカー。フィオレンティーナではガブリエル・バティストゥータやマヌエル・ルイ・コスタとプレーし、サンプドリアではジャンルカ・ヴィアッリ、ロベルト・マンチーニに続く歴代3位の110得点を記録している。元日本代表の柳沢敦ともかつてチームメイトだった。

 キャリアが狂ったのは、2007年1月。ドーピング検査でコカインの陽性反応が見つかり、2年の停止処分を科された。2008年夏にエンポリと契約し、処分満了後に復帰。だが、ブレッャに加入した2009-10シーズン途中、再度のコカイン陽性反応で12年という長期処分を科された。

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 処分期間中、フラーキは自身を鍛えつつ、コメンテーターなどを努めるかたわら、ライセンス取得が不可能な中で大人や子どもにサッカーを教えてきたという。そして数年前から、アマチュア5部リーグのSigna 1914に協力してきたそうだ。

 そしてそのSigna 1914が、新シーズンに向けて発表した選手リストに、フラーキの名前があるのだ。もちろん、30代の選手も2人しかいないチームでは最年長となる。本人よると、「もう上手にプレーできないだろう」という会長や友人の"挑発"に応えるためという。

 フラーキは『Radio Bruno Toscana』で「調子を取り戻すために(処分が明ける1月までの)時間を使う。15日前からジムに行っているよ。これまではフットサルだけだった」と話している。

「活力を取り戻さなければいけない。それからどれくらいやれるかをみてみよう。当然90分は無理だが、経験と質でより速さのある相手に応じたい」

 フラーキの、新たな人生が始まる。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部
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