【総体1回戦】新鋭校の飯塚を牽引するエースが大仕事! 高卒J入りを目指す髙尾流星はいかなるアタッカーか?

2021年08月15日 松尾祐希

飲水タイムでの指揮官の指示が流れを変える

飯塚を初戦突破に導いたエース・髙尾。写真:松尾祐希

[インターハイ1回戦]飯塚1-0西目/8月15日(日)/日東シンコースタジアム丸岡人工芝グラウンド北コート

 ショートパスとドリブルを織り交ぜた攻撃が特徴の飯塚(福岡)において、異質な武器を持ったタレントだ。収めてよし、仕掛けてよし。フィジカルの強さとスピードも申し分ない。福岡県予選で東福岡、筑陽学園を撃破して迎えたインターハイ1回戦で、FW髙尾流星(3年)はその強烈な個性を発揮した。

 西目(秋田)に対し、チームは初戦特有の緊張からか、本来の良さを発揮できなかった。全国大会初出場というプレッシャーも重なり、序盤は沈黙。髙尾自身も良い形でボールを受けられず、得意の裏抜けやポストプレーで攻撃の起点になれなかった。

 しかし、前半20分過ぎの飲水タイムを境に流れが変わる。

「秋田県予選決勝の映像で西目を分析したとき、守備陣は斜めのスプリントにバランスを崩していた」

 中辻喜敬監督は、試合前に伝えていた指示をもう一度周知。すると、ここからエースの髙尾が躍動する。
 
 2トップでコンビを組むFW村越琉威(3年)とともにスプリントを繰り返し、相手の守備陣を撹乱。再三に渡ってサイドからゴール前、中央から外に走り、ボールを引き出す動きを重ねた。徐々にリズムを掴んでいくと、23分には村越のスルーパスに抜け出して左サイドからシュートを放つ。惜しくも相手GK鈴木暢天(2年)の好セーブに阻まれたが、得点の予感を感じさせて前半を終えた。

 後半に入っても髙尾は良さを発揮。相手DFの背後へのスプリントに加え、身体の強さを生かしたポストプレーで攻撃の起点になる。

 すると、後半7分だ。髙尾は最終ラインの裏に飛び出すと、ペナルティエリア内でGK鈴木に倒されてPKを獲得。これを左SBの吉田龍介(3年)が決めて、決勝点を奪った。
 

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