【対談】森重真人×太田宏介「責任感をモチベーションにして」

2015年06月14日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「足りない部分を埋めるためにもチームとしてのタイトルが欲しい」(太田)

日本代表にも継続して招集されるふたり。責任感を胸にFC東京の最終ラインを支える。 写真:サッカーダイジェスト

 ブラジル・ワールドカップ出場を経て、近年CBとしての風格を増し続けている森重真人と、今季のJリーグで出色のパフォーマンスを見せている左SB太田宏介。FC東京で不動の地位を築くふたりは、アギーレ前体制下からともに日本代表に名を連ね、その経験をチームへと還元している。
 
 プロ10年目を迎えた今季に懸ける想い、そして3月の初陣を戦って感じたハリルホジッチ監督が目指すサッカーの印象を訊いた。
 
※『サッカーダイジェスト』2015年5月14日号より抜粋して転載
 
――◆――◆――
 
――同い年のおふたりは仲が良いそうですね。プライベートでご飯をともにする機会も多いと聞きましたが、会話の中心はサッカー?
 
森重 そうですね。僕たち87年組はもう若くないし、チーム(FC東京)の中心として引っ張っていかなきゃいけないと互いに刺激し合っています。
 
太田 締めるところは締めて、意識を高く持ってやろうというニュアンスの話もしています。
 
森重 代表活動もしている僕たちが怠けていたら、若い選手はどう思うか。「代表選手だからクラブでは手を抜いていい」みたいな雰囲気だけは作ってはいけません。練習では僕たちが先頭に立って、きつい時もそれを表情に出さずにチームを盛り上げていく。そういう役割が求められていると思います。
 
太田 俺たち、もうプロ10年目ですから(笑)。
 
森重 そうそう。そう言って互いにテンションを高める時もあります。
 
――クラブでレギュラーを張り、代表でも活躍している。そうした共通項もあるから、意気投合するのでしょうね。
 
森重 ピッチの外ではおちゃらけている宏介も、練習や試合では真剣そのものですから。「やる時はやる」というスタンスは、自分も若い選手に示さないといけません。
 
太田 いつまでもナオさん(石川直宏)やニュウさん(羽生直剛)に頼っていてはダメ。クラブでコンスタントに試合に出ている自分としては、先輩たちに「宏介やモリゲが頑張っているな、引っ張ってくれているな」と感じてもらえるようにやらなきゃいけないと思っています。それにしても、こんな発言を自分がしているなんて。年を取ったなって感じです(笑)。
 
森重 言えてる(笑)。
 
――いやいや、ともに27歳(※取材当時)。DFとして脂が乗るのはこれからです。
 
太田 そう、ここから自分がどう成長できるかはとても楽しみです。この年齢で気付いていない点はあるはずで、足りない部分を埋めるためにもチームとしてのタイトルが欲しい。
 
――先ほど、石川選手と羽生選手の名前が出ましたが、ベテランふたりの活躍に刺激されているのでは?
 
森重 相当されています。
 
――4節の甲府戦で石川選手のビューティフルゴールが決まった直後は、どんな気分でした?
 
太田 めちゃくちゃ嬉しかったです。昨季は怪我もあって満足のいくシーズンを過ごせなかった。それでも挫けずに、努力をし続けてきたからこそ結果につながった。「継続は力なり」を実践しているナオさんから学ぶ点は多いです。
 

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