2連勝中の柏と今季無敗の川崎のバトルは両指揮官の采配がカギ! プロ分析官が注目の一戦を徹底展望!

2021年08月13日 サッカーダイジェストWeb編集部

田中&三笘の穴はチーム全体の力でカバーできる!

杉崎氏が予想した「柏対川崎」のフォーメーション。

 J1リーグは8月14日、第24節の5試合を各地で開催。三協フロンテア柏スタジアムでは、15位に位置する現在2連勝中の柏レイソルと、今季公式戦無敗で首位を独走する川崎フロンターレが対戦する。

『サッカーダイジェストWeb』では、Jリーグの各クラブでスカウティング担当を歴任し、2019年には横浜でチームや対戦相手を分析するアナリストとして、リーグ優勝にも貢献した杉崎健氏に、24節・柏対川崎の勝負のポイントを伺った。

 確かな分析眼を持つプロアナリストは、この注目のゲームをどう見るのか。予想布陣の解説とともに、試合展開を4つの状況に分け、それぞれの見どころを語ってもらった。

――◆――◆――

●柏レイソル
今季成績(23節終了時):15位 勝点23 7勝2分14敗 24得点・33失点

●川崎フロンターレ
今季成績(23節終了時):1位 勝点61 19勝4分0敗 55得点・15失点
 
【予想布陣解説】
 柏は前節の神戸戦とまったく同じメンバーだと予想しました。ただ、いくつか懸念があり、1つ目は右CBのエメルソン・サントスが、前節の68分に交代をしたこと。怪我による交代かと心配しましたが、監督も疲労による交代であると発言していましたし、問題はないと思います。

 怪我人は、公式なリリースが出ていない選手も含めて結構多くいるようです。中断明けの神戸戦にベンチ入りすらしていない選手がいたりもするので、そういうことも踏まえて前節に結果を残したメンバーでいくのではないかと考えています。

 ネルシーニョ監督は、基本的に相手の特長を消すことが得意な指揮官。前回対戦が3月13日の第4節でしたが、このときは4-4-2で守備をしていました。それをふたたび採用するのか、それとも前節の神戸戦とその前の鹿島戦で使った3-4-3を踏襲するのかが見どころの1つです。

 川崎も直近の試合で怪我人が出ており、レアンドロ・ダミアンのほか、大島僚太、小林悠らは欠場濃厚です。小林はそろそろ戻れる時期ですが、まだ万全ではないでしょうし、おそらく最前線は知念慶でしょう。

 五輪から帰ってきた旗手怜央も何も問題がなければ出るはず。それ以外は、こちらも基本的には、前節の大分戦と一緒。前節は橘田健人が務めていたインサイドハーフに旗手を入れたのは、サイドバックに最近調子が良い登里享平を配置するだろうと予想したため。橘田は前節フル出場で、80分ぐらいから足を気にしていましたし、疲労が溜まっているのではないかということで旗手にしています。

 移籍に関しては、柏は武藤雄樹が加入して、前節の神戸戦でいきなりスタメン。非常に良いパフォーマンスをしました。川崎は田中碧と三笘薫が退団しましたが、チーム全体の力でカバーできると考えています。旗手は五輪にも選ばれていて実力的にも十分。またウイングは長谷川竜也や宮城天、遠野大弥がいて、さらにはマルシーニョの加入も発表されました。それぞれスピーディに仕掛けられて違いも作れる選手たちなので、期待がかかりますね。

 いずれにしても、中断明けからは両チームともに少しメンバーやシステムなどの戦い方が変わってきています。

次ページ柏の自陣からの攻撃vs川崎の敵陣での守備

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事