なぜチェルシー指揮官は当たっていたGKをPK戦で交代させたのか?「やること全てが上手くいく」

2021年08月12日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

「われわれが知らなかった何かをトゥヘルが知っていた」

PK戦要員としてケパ(右)を投入したトゥヘル(左)の策は見事に的中した。(C)Getty Images

 トーマス・トゥヘルの采配が的中した。PK戦に突入する前に守護神を入れ替えたことが、チェルシーに今シーズン初のタイトルをもたらしたのだ。

 8月11日のUEFAスーパーカップで、昨季のチャンピオンズ・リーグ王者チェルシーは、ヨーロッパリーグ覇者ビジャレアルをPK戦の末に下した。エドゥアール・メンディとの交代で119分から出場したケパ・アリサバラガのセーブが決め手となっている。

 英公共放送『BBC』によると、チェルシーのトゥヘル監督は試合後、『BT Sport』で「ケパはPKセーブの確率が最高だ。分析チームやGKコーチからデータを見せられていた。選手たちと話して、一発勝負の試合ではこういうこともあり得ると言ってあったんだ」と明かした。

「エドゥアールが受け入れてくれたのはファンタスティックだね。彼はピッチから出ないでプライドを見せようなどとしない。チームのために喜んで受け入れてくれた」

 そのメンディは「僕らが勝ったのだから、うれしいよ」と話している。

「昨年から、ケパは出ればチームを助けてくれると知っている」

【画像】ケパとメンディ、戴冠に貢献した両GKの2ショット!
 一方、ケパは「典型的な状況ではないけど、エドゥアールが素晴らしい仕事をした後で、PK戦となった。ついに勝つことができて、僕らは喜んでいる」と述べた。

「僕は準備できていた。こういうことがあり得ると知っていたからだ。心身ともに準備を整えていた」

 元チェルシーのジョー・コールは「トゥヘルは失敗しないね。彼がやることは全て上手くいく」と、指揮官に賛辞を寄せている。

「メンディのプレーが良かったから、われわれは疑っていたが、ケパがPK戦でファンタスティックだった」

 元イングランド代表のリオ・ファーディナンドも、「加入してからケパは厳しい目で見られてきた。セーブ後に彼がこのチームに何を意味するかが見えたはずだ」と話した。

「われわれが知らなかった何かをトゥヘルが知っていたのは明らかだ」

 もちろん、ケパはスタメンの座を目指しており、メンディはPK戦でも自分がゴールマウスに立ちたいと望んでいるだろう。ただ、何はともあれ、ハイレベルな守護神2人を擁する欧州王者チェルシーは、上々のシーズンスタートを切った。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

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