「悩んだ右SB。世界と戦う時にどんな能力が欲しいか考えたら」酒井高徳が選ぶ“日本代表・歴代最強ベスト11”

2021年08月12日 サッカーダイジェスト編集部

特に凄い人だなと身にしみて思ったのが圭佑くん

「MY BEST PLAYER」には本田圭佑を挙げてくれた。

 1921年9月10日に創立された日本サッカー協会が今年で設立100周年を迎える。それを記念して、ヴィッセル神戸に所属する酒井高徳にオールタイム(1921~2021年)で日本代表の歴代最強ベスト11を選定してもらった。ここでは、同選手の"マイベストイレブン"を紹介する。

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 サッカーは常に進歩しているので、なるべく現代の選手を優先してみました。代表で一緒にプレーした仲間が多くなりましたね。
 
 なかでも特に凄い人だなと身にしみて思ったのが圭佑くん。チームメイトへの要求がとにかく強い。互いに「こうしたい」とディスカッションする時も迫力を感じるんですよね。仲間にハッキリ意見を言えるのは確固たる自信があるからで、信じる気持ちが強いから大一番で実力を発揮できる。

 圭佑くんの後ろ、右SBは悩んだ。チャンピオンズ・リーグで活躍した(内田)篤人くんには、近くで多くを学ばせてもらったのですごく迷いました。ただ、自分が世界と戦う時にどんな能力が欲しいか考えたら、宏樹くんのスピードやバネ、高さが羨ましくて。僕は同タイプですが、あそこまでの身体能力がないのでね。左SBの佑都くんは実績で文句なしの選出です。

 衝撃だったのが闘莉王さんと(中澤)佑二さん。僕がサポートメンバーとして帯同した南アフリカ・ワールドカップで、息のあったコンビネーションで世界に力強さを誇示していた。だらかセットで選ぼうと思いましたが、僕と長く一緒にやってきた麻也くんも、着実に成長しているのを隣で感じたので外せず……。今では"日本のCBと言えば吉田"というイメージにもなりましたし、ここでは闘将の闘莉王さんと組ませてみてはどうかなと。

 残る守備陣のGKに関しては僕、(マヌエル・)ノイアーなど世界的守護神を育てたドイツでプレーしてきたので、目が肥えている自負があるんですよ。その視点で見た永嗣さんのセービング能力は、ワールドクラスです。

 日本らしいサッカーをやるために欠かせないのはヤットさん(遠藤保仁)。普段の生活から「緊張したことあるんですか?」と思ってしまうような落ち着きぶりで、ピッチ上では楔のパスを丁寧に入れる。となると、それを引き出すのが上手い真司くんは必要で、左サイドに置いた右利きの伸二さんも中央寄りにポジションを取れば、この3人でタメを作れる。あとは岡ちゃん(岡崎慎司)がゴール前で仕事するでしょう。

 ヒデさんは(中田英寿)は得点力、パスセンス、守備力などすべてがワールドクラス。懸念は個性の強い同士で圭佑くんと喧嘩するかも(笑)。でも、ピリッとしたほうがチームは引き締まるので僕は好きですよ。規律重視のザックさんに監督を任せれば、このメンバーでもまとめてくれるはずです!

構成●サッカーダイジェスト編集部

PROFILE
酒井高徳 さかい・ごうとく/91年3月14日生まれ、新潟県出身。日本代表通算42試合・0得点。10年に代表初招集され、南アフリカ・ワールドカップにサポートメンバーとして帯同し、18年まで日の丸を背負ったSB。クラブでは新潟でプロデビューし、ドイツで8年プレーしたあと現在は神戸で活躍している。

※『サッカーダイジェスト』2021年6月24日号より一部、加筆・修正して転載。
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