【中断明けの青写真|群馬】リーグ最少シュート数の改善は?期待したいエースと快足アタッカーの奮起

2021年08月07日 サッカーダイジェスト編集部

加藤の負傷離脱は大きな痛手

期待したいのは、やはり大前。このエースが奮起すればチームも自ずと浮上していくはず。写真:滝川敏之

 東京五輪開催でJリーグは一時中断。その間、各チームは戦力補強やミニキャンプ実施など、再開後に向けて準備を進めている。五輪後はいかなる戦いを見せてくれるか。ここでは、J2のザスパクサツ群馬を取り上げる。

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 ポゼッション戦術を志向した奥野僚右監督は昨年12月にJ2月間最優秀監督賞に選ばれていただけに、今季はその積み上げが期待された。しかし、なかなか組織として機能せず3節のFC琉球戦からは黒星が先行。19節のFC町田ゼルビア戦から21節のジェフユナイテッド千葉戦まで3連敗を喫すると、7月5日にチームは奥野僚右監督を解任し、久藤清一ヘッドコーチを新たな指揮官に据えた。

 新体制でもポゼッションをベースとする戦術自体は変わらないが、初陣となった22節で東京ヴェルディに引き分け、23節のファジアーノ岡山戦で6節ぶりの勝利を掴んだ。

 降格圏を脱出した状態(18位)で中断期間に入ったとあって、現在のチームの雰囲気は悪くないはずだ。

 ところが、7月25日に選手1名とスタッフ1名が新型コロナウイルスの陽性判定が判明。同26日から予定していた草津キャンプは急遽中止となり、少なからず混乱が生じているのは確かだろう。

 また大きな懸念として残るのが、続出している故障者だ。CBでは川上優樹(膝前十字靱帯損傷/12月以降に復帰見込み)、藤井悠太(左腓腹筋筋挫傷/8月末に復帰見込み)、城和隼颯(右外側半月板損傷/10月に復帰見込み)が離脱中で、渡辺広大も小さな怪我を繰り返し、出たり出なかったりの状況が続いている。また6月末からサイドハーフの加藤潤也(右足関節内果骨折/10月に復帰見込み)も戦列を離れてしまったのは、大きな痛手だ。
 
 CBには磐田から長身DFの大武峻をレンタルして補填したものの、崩しの急先鋒となっていた加藤の代わりは現状で見つからない。

 シュート数リーグワースト(150本)と迫力を欠く攻撃面をいかに改善するかは、久藤監督に求められるテーマだ。

 期待したいのは、やはり大前元紀。昨季は8得点・8アシストと活躍したものの、今季は2得点・7アシストとやや勢いが落ちている。このエースが奮起すれば、チームも自ずと浮上していくはずだ。

 あるいは今季3得点・5アシストを記録する田中稔也にも、さらなる活躍が求められる。FWと左右のサイドハーフをマルチにこなす俊足アタッカーが局面を打開することで、大前にもチャンスが生まれてくるはずだ。いずれにしてもこの中断期間で攻撃のパターンを増やせているかが、後半戦に向けたひとつのカギになるのは間違いない。

構成●サッカーダイジェスト編集部

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