金田喜稔がメキシコ戦を斬る!「9年前と同じ結末。監督継続も含め、協会は検証すべきだ」【東京五輪】

2021年08月07日 サッカーダイジェストWeb編集部

才能のある選手に“汗をかかすこと”が指導者の務め

途中出場から一矢報いた三笘。与えられた時間の中で際立つ活躍を披露した。写真:金子拓弥 (サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

[東京五輪 3位決定戦]U-24日本 1-3 U-24メキシコ/8月6日/埼玉スタジアム2002

 なによりも、まずは「おつかれさまでした」と声をかけたい。

 選手や森保監督をはじめ、コーチングスタッフ、ドクターやマッサーらを含め、年明けからはかなり忙しかったと思う。コロナ禍でのチーム活動では、いろいろな規制や制約があって拘束されるなかで、たくさんのストレスもあったはず。ひとつのチームが"ファミリー"になるのは、本当に大変なこと。結果は残念なものになったけど、とにかく「おつかれさまでした」と伝えたい。

 銅メダルをかけたメキシコとの一戦は、前半にPKとセットプレーから2失点と厳しい展開になった。後半に入ってさらにCKから失点。2失点目、3失点目では、スコアラーのマークについていたのが、なぜ遠藤だったのかという疑問は残るけど、それでも3人のオーバーエイジには守備的な選手をセレクトしておきながら、リスタートでゴールを許してしまってはダメだと思う。

 3点のビハインドを背負うなかで、一矢報いるゴールを決めたのが、途中出場の三笘だ。今大会、ここまで三笘は思うようなパフォーマンスを見せられてこなかったと思う。たしかに最初はコンディション面で難しい部分があったのだろうけど、徐々に状態も戻ってきていたはずで、それでもスペインとの準決勝ではベンチ外も味わった。
 
 特別な才能を持つ三笘がなぜスターティングメンバーにも名を連ねなかったのか。その理由は分からない。もしかしたらチームが求めるハードワークの部分で、物足りないところがあったのかもしれない。ただ、言ってしまえばハードワークは誰もができることで、才能のある選手に"汗をかかすこと"が指導者の務めだと個人的には思っている。

 いずれにしても、メキシコ戦を見る限り、与えられた時間内で三笘は際立つ活躍を披露することができた。得点以外でも、相手の脅威になるプレーを演出。息の合った連係を見せる上田にも好パスを配給して、シュートチャンスをお膳立てしていた。

 この五輪で三笘がすべての力を出し切ったかと言えば、そうではないと思う。それでも、A代表やワールドカップを見据えれば、期待を抱かせるものを示してくれたのは間違いない。最後の最後で、今後につながるだろう何かを見せられたのは良かった。
 

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