【中断明けの青写真|水戸】「ジェラの存在は大きかった」。守備の要が移籍も…松本戦の完封勝利が大きな光明に

2021年08月06日 佐藤拓也

昨年よりも攻守のバランスが向上

23節終了時点で11位の水戸。守備の安定を維持しつつ、いかに得点力を高めるかがリーグ再開後のポイントとなる。写真:田中研治

 東京五輪開催でJリーグは一時中断。その間、各チームは戦力補強やミニキャンプ実施など、再開後に向けて準備を進めている。五輪後はいかなる戦いを見せてくれるか。ここでは、J2の水戸ホーリーホックを取り上げる。

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 水戸は現在、昨シーズンの第23節終了時点と同じ勝点30。リーグ最多得点を記録した昨季の同時期より9得点、減った一方、失点はマイナス12だ。

 23試合で喫した失点は23。開幕前に掲げた「1試合1失点以下」という目標を達成できるようになっており、攻撃偏重だった昨年よりも攻守のバランスが取れていることを数字が証明している。守備の安定を維持しながら、いかに得点力を高めるかがリーグ再開後のポイントと言えるだろう。

 しかし、センターバックとして守備を支えてきた住吉ジェラニレショーンが、J1のサンフレッチェ広島に移籍。さらにサイドバックとして攻守に躍動を見せていた柳澤亘も、J1のガンバ大阪に引き抜かれてしまった。最終ラインの選手の入れ替わりがあったなか、リーグ前半戦で築いた守備のベースを継続することが求められる。
 
「個の強さを持つジェラの存在は大きかった」と守護神の牲川歩見は認めながらも、「今いる選手もそれぞれがいいものを持っている。この中断期間でより特長を捉えて、ピッチの中で良いところを表現できるようにして、ジェラの抜けた穴を補いながらもより失点を減らして、強い集団にしていきたい」と力を込めた。

 住吉が移籍した直後の23節・松本山雅FC戦では、安定した守備を披露。アウェーの地で松本の攻撃を封じ込めて完封勝利を収めたことは、再開後のリーグ戦に向けて大きな光明となった。

 負傷離脱していたベテランの細川淳矢はすでに復帰を果たしており、さらにルーキーの三國スティビアエブスと山田奈央も虎視眈々とポジションを狙っている。そうした切磋琢磨が守備を引き締めることだろう。
 

次ページ攻撃で新加入2名にかかる期待は大きい

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