今後の代表キャリアへ壮絶なアピールを! 二度目のメキシコ戦、注目したいのはインパクト不十分の選手たち【東京五輪】

2021年08月05日 清水英斗

対戦相手は日本のことをよく分析している。二度目のメキシコ戦は、そう簡単に点を取れないかもしれない

スペイン戦では不完全燃焼に終わった上田。メキシコ戦では鬱憤を晴らすゴールが見たい。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 東京五輪・男子サッカーの準決勝でスペインに敗れた日本は、6日にメキシコとの3位決定戦に臨む。

 グループステージでは2-1で快勝したが、二度目の対戦は同じようにはいかないだろう。メキシコは日本戦以降、エースのディエゴ・ライネスをベンチスタートにし、ウリエル・アントゥナを右ウイングのスタメンに起用している。

 縦への推進力とクロスに長けたアントゥナの起用により、メキシコはシンプルな縦の速さを獲得した。同時にサイドバックのオーバーラップに頼らなくても、ピッチの幅を使うことができ、攻守のバランスは改善している。1戦目は前半6分に酒井宏樹の縦パスに堂安律が飛び出して、久保建英がゴールを挙げたが、分析もされる二度目の対戦で、同じような一発の飛び出しが通用するとは限らない。
 
 また、日本戦でアンカーに入ったルイス・ロモも、右インサイドハーフにポジションを上げた。センターフォワードのエンリ・マルティンの背後から、飄々と飛び出しを狙い、その得点力の高さを見せているので、日本は1戦目同様にハイプレスに行けば、ロモに背後を突かれるリスクは大きい。

 日本戦でも途中からその布陣に変更はしていたが、当時は味方との連係が今ひとつで、ロモの飛び出しを生かしきれなかった。しかし、南アフリカ戦、韓国戦、ブラジル戦を経て、メキシコの連係は上がっている。日本はハイプレスのはめ方を再考しなければ、メキシコに裏返されるかもしれない。

 メキシコとの再戦に臨む日本のゲームプランは、ひとつの注目ポイントだ。

 もうひとつ期待したいのは、途中出場の選手。今大会はスタメンの選手が決勝点を挙げ、途中出場の選手はスコアを維持するために走り回る、先行逃げ切りの試合ばかりだった。

 しかし、ニュージーランド戦、スペイン戦と日本は無得点に終わったように、すでに対戦相手は日本のことをよく分析している。二度目のメキシコ戦は、そう簡単に点を取れないかもしれない。そうなったら、最後の最後、途中出場の選手たちが試合を決めてほしい。

 特に注目しているのは、上田綺世だ。スペイン戦では唯一と言っていいほど、試合に全く乗れていない選手だった。

【東京五輪】男子サッカー 全試合結果&グループステージ順位表

次ページ上田は久保や堂安、2列目の個を優先させるが故に、犠牲になった選手の1人だと思う

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