ペドリが久保にユニホーム交換を申し出た理由。ライバルチームに所属する2人が4度目の対決へ

2021年08月03日 下村正幸

マジョルカでプレーするようになった頃から注目

4度目の対決で久保(左)とペドリ(右)はどんなプレーを見せるのか。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)、(C)Getty Images

 今夜の日本対スペイン戦は久保建英とペドリの再会の場でもある。

 2人が初めてピッチで顔を合わせたのは昨シーズン、ラ・リーガ第3節のバルセロナ対ビジャレアル戦だった。この一戦がバルサでのデビュー戦でもあったペドリは70分に途中出場。久保もその4分後に交代で投入された。

 試合はバルサが前半を4点リードで折り返す一方的な展開となり、2人がピッチに立った時にはすでに勝負の趨勢は決まっていた。そしてその試合後のことだった。自然と歩み寄った2人は、ユニホームを交換した。ペドリにとって1部で初めてユニホームを交換した相手が久保だった。

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 しかもこれは偶然ではない。ペドリに近い関係者によると、久保が2019年夏にスペインに再上陸し、マジョルカでプレーするようになった頃から注目していたという。

 今でこそ今年のゴールデンボーイ賞の最有力候補に挙げられるなど、サッカーシーンを代表する若手として評価されるようになったペドリだが、当時はバルサからのレンタルという形で2部のラス・パルマスに所属していた。同じ小兵アタッカーで、屈強なDFを向こうに回しても果敢に仕掛け、アイデア豊かなプレーでゴールに迫る久保を自身に重ね合わせる部分もあったそうだ。しかも下部組織だけの在籍だったとはいえ、久保は入団が決まっていたバルサのOB選手でもある。

 そんな気になっていた選手と対面したペドリは、ユニホームの交換を依頼した。久保も快く応じ、現在そのユニホームはペドリの自宅にルカ・モドリッチ(レアル・マドリー)やジョアン・ジョルダン(セビージャ)らのものと一緒にコレクションとして大切に飾られてある。

 その後、2人は久保のヘタフェへの再レンタル移籍を経てラ・リーガ第31節で今度はお互いスタメン出場という形で再対面。先月のテストマッチを含めるとピッチで相対するのは今回で4度目となる。

 ペドリはこの1年の間にバルサの中心選手に成長。今後も長く活躍することは間違いない。一方の久保はマドリー入団以来、レンタル生活が続いているものの、近い将来(アス紙のセルヒオ・サントス記者によると今夏)の復帰を目指して切磋琢磨している。この先、2人がクラシコで対戦することは十分に考えられる。

 年齢はペドリの18歳に対し、久保は20歳。無限の可能性が広がっている2人にとってもオリンピックという特別な舞台で勝てばメダルが確定する今回の一戦は、そのキャリアにおいてきっと重要な1ページを刻む試合となるはずだ。

文●下村正幸
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