「キャプテン翼の世界観やチームの存在をもっと拡大していきたい」代表×トップパートナー対談から見えてくる南葛SCが描く地図

2021年07月29日 伊藤 亮

高橋陽一先生(株式会社南葛SC社長)×大木啓彰氏(KLab株式会社プロデューサー)対談――後編 「力尽きるまで走ろうとする意気込みが、南葛SCにももちろん、全てのチームから感じられる」(大木)

株式会社南葛SCの代表取締役を務める高橋陽一先生。「南葛SCができて本当の意味でサポーターに加われた気がする」という。写真:徳原隆元

 南葛SCが東京都リーグに所属している頃からスポンサードしてきたKLab株式会社。

 現在、関東リーグに昇格するまでの過程を見てきたKLabプロデューサーの大木氏には、社会人サッカーに対する気づきがあった。

 また、クラブの代表取締役を務める高橋陽一先生にも南葛SCという"我がチーム"ができることで新たに感じる気付きがあったという。

 対談特集後編では、当事者意識を持つからこそ見えてきた点を中心に、互いの気持ちを語り合ってもらった。

――◆――◆――

 クラブチームをスポンサードする側としては、費用対効果などビジネスライクに状況を見なければならない部分もたしかにある。だが、それ以前にいかにチームへ思い入れができるか、は重要な判断要素だろう。その点、大木氏の南葛SCへの愛着は深い。そして高橋先生にも南葛SCができたことで新たな発見があったようだ。

大木 我々KLabが提供しているスマホアプリゲーム『キャプテン翼~たたかえドリームチーム~』をきっかけに南葛SCの試合を観る方を増やしたい。そう思うには理由があるんです。自分も許される限り現地で南葛SCの試合を見ていますし、伺えなければリモートで試合観戦をしてきましたが、南葛SCのサッカーは生観戦した方が絶対その魅力が伝わると確信しているからなんです。僕はJリーグなどプロの試合も結構見ますが、東京都リーグや関東リーグにはまた違う熱量があると。ものすごくハイテンションでハイプレスをかけに行ったり、力尽きるまで走ろうとする意気込みが、南葛SCにももちろん、全てのチームから感じられるんです。これは社会人サッカー独特の魅力ですよね。

高橋 熱量という点では自分にも当てはまりますね。これまでもお気に入りのチームは国内外にあったんですけど、本気で応援しているのかと問われれば、結構フラットに応援している自分がいました。例えば日本代表も応援しますけど、少し引いたところから応援していた感じで。でも南葛SCができたことで、本当の意味でサポーターに加われた気がします。まさに我がチームといいますか、きっと世界中の各クラブのサポーターのみなさんは、こういう気持ちで応援しているんだろうな、ということがやっと理解できたといいますか。応援できるクラブがあるというのは、人生において素晴らしいことだと分かりました。

大木 僕も、現地には行けませんでしたが、昨シーズンの関東リーグ昇格を決める関東社会人サッカー大会は、リモートで観戦しながらハラハラドキドキしてました。

高橋 まさにその大会で、勝てば昇格が決まる準決勝。試合最終盤に追いつかれて延長戦になって、その後2点取って勝った時。あの瞬間が南葛SCを見てきて一番ホッとしたといいますか。ほかでは味わえない感情が沸き起こりました。

大木 僕もその瞬間をリモートで観戦していました。一人で観ていると勝ってガッツポーズ!という感じにはならないんですが(笑)。現地で観たかったなあと思いましたね。もともと感情を表に出すタイプではないですし、現地で見たとしても奥戸(葛飾区奥戸総合スポーツセンター陸上競技場)の試合では周囲に関係者の方がいたり、水元(葛飾区水元総合スポーツセンター多目的広場)の試合ではいつも静かに観ているんですが(笑)、選手との距離が近いので熱い感情が沸き起こるのは分かります。
 

次ページ「一戦一戦、心を込めて戦ってほしい」(高橋)

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事