死闘の末に果たした53年ぶりの欧州制覇に、指揮官は涙した。

　現地時間７月11日に開催されたEURO2020の決勝で、イタリアはイングランドとウェンブリーで激突。開始２分でカウンターからルーク・ショーにボレーシュートを叩きこまれ、先制を許す苦しい展開となるが、猛攻を仕掛けた後半の67分に追いつく。

　CKから流れてきたボールをマルコ・ヴェッラッティがヘッド。GKジョーダン・ピックフォードが右手一本でセーブしたところをレオナルド・ボヌッチが詰めてネットを揺らした。データサイト『Opta』によれば、109キャップを誇る34歳のCBは、EURO決勝での最年長得点者となった。

　その後もイタリアは攻め、勝ち越しのチャンスも迎えるが、決めきることはできない。結局、延長を含む120分通して決着はつかず、勝負の行方はPK戦に。ここで守護神ジャンルイジ・ドンナルンマが圧巻の活躍を見せる。４人目と５人目を見事にセーブし、アッズーリに戴冠をもたらした。
 

　イタリア紙『Tuttosport』によれば、試合後のインタビューでロベルト・マンチーニ監督は、「我々は良かった。すぐにゴールを奪われ、困難な状況に陥ったが、その後は我々が支配した。何と言っていいか分からないけど、選手たちは素晴らしかったよ」と、目に涙を浮かべながらコメントした。

　掴んだタイトルは「全ての人々とファンにとって重要なこと」だと話し、「イタリア中が祝ってくれるといいね。私たちは今、幸せだ」と喜びを噛みしめた。

　ヴェッラッティは、決勝前の記者会見でマンチーニ監督を「僕たちに笑顔を与えてくれる完璧なコーチ」と称えた。選手たちからも厚い支持を受ける56歳の指揮官は、現在34試合を数える無敗記録をまだまだ更新させそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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