五輪“最強ボランチ陣”に穴はないか?「決勝まで出続ける姿を…」遠藤航の決意の裏側に潜む一抹の不安

2021年07月11日 元川悦子

今や遠藤抜きに日本代表の中盤は成り立たないと言っても過言ではないほどだ

日本代表の中盤を支えるボランチ陣。左上から時計回りに、遠藤、田中、中山、板倉。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

「僕は本当に全部出るつもりで準備はしていますし、そのイメージをしている。中2日の連戦の中で、自分が今までブンデス(リーガ)だったりA代表で見せてきたパフォーマンスをいかに落とさずにやり続けられるかというところは、自分にとっても新しいチャレンジ。しっかり全試合、決勝まで出続ける姿を見せたいと思っています」

 自身2度目となる東京五輪の大舞台を前に、オーバーエージ(OA)枠の遠藤航(シュツットガルト)は熱い思いを口にした。チームは5日から静岡県内で行なっていた合宿を10日に打ち上げ、12日のU-24ホンジュラス戦の地・大阪へ移動。いよいよ臨戦態勢に入りつつある。

 2016年リオデジャネイロ五輪でキャプテンを務めた彼が参戦することはU-24日本代表にとって非常に心強い要素だ。前回の1次リーグ敗退という反省を教訓にして、世界で勝つために必要なプレーを発揮できるはずだし、、さらにはベルギーとドイツで体感してきた世界トップレベルの強度や当たりの強さももたらせる。今や遠藤抜きに日本代表の中盤は成り立たないと言っても過言ではないほどだ。
 
 その効果は6月シリーズでも如実に表われた。遠藤が加わった中盤は、全員が前を向いた状態でボールを奪う回数、相手の攻撃の芽を未然に防ぐ場面が大幅に増加。攻守両面でテンポが上がり、ゴール前への推進力や機動力もアップした。

 A代表との兄弟対決(札幌)、さらにU-24ガーナ戦(福岡)とジャマイカ戦(豊田)と3戦続けてボランチコンビを組んだ田中碧(デュッセルドルフ)も「守備の強度、球際、前へ出ていく部分、予測の質と回数の多さ、前を見る意識を含め、今まで一緒にやってきた選手の中では段違い」と絶賛。2人の連係も試合を重ねるごとによくなっている。

 それは本大会を乗り切るうえで間違いなくプラスなのだが、仮に遠藤がいなくなった時を考えると一抹の不安を覚えざるを得ない。中2日ペースで6試合を2週間で戦う短期決戦となれば、ケガや累積警告による出場停止などさまざまなアクシデントが起こり得るからだ。

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