【セルジオ越後】移籍市場をどう見る?田中碧はまだドメスティックな評価の選手。プレミア行きの噂がある冨安、鎌田には…

2021年07月08日 サッカーダイジェストWeb編集部

酒井のJリーグ復帰は国内を盛り上げる意味でも期待したい

日本代表の選手たちがこの夏も動きを見せている。写真は、左上から時計回りに、田中碧、冨安健洋、酒井宏樹、鎌田大地。(C) Getty Images(冨安、鎌田)/サッカーダイジェスト(田中、酒井)

 欧州の移籍マーケットで、噂のレベルも含めて日本人選手の移籍の動きが目立ってきているね。川崎の田中碧がドイツ2部のデュッセルドルフへ移籍し、逆に欧州からは酒井宏樹が浦和へ、宮市亮が横浜へ加入することになった。

 田中に関して言えば、まずは欧州マーケットの入口に立ったというだけで、まだまだステップアップしたと言えるような状況じゃないことは本人も分かっているはず。日本のメディアは、海外に行ったというだけで大袈裟に伝えるけど、本当に評価されているなら、もっと名のある1部クラブがより高い移籍金を払ってでも欲しいと言うはずだよ。

 つまり、田中はまだドメスティックな評価しかされていない選手。結果を残して、1部でもやれるというところを見せなければ、上には上がっていけないよ。とはいえ、田中本人も会見でステップアップへの意欲を示しているようだし、五輪の舞台も含めて良いアピールを見せてほしいね。
 
 一方で日本に戻ってきたふたりは、対照的な道を辿ってきたね。酒井はロンドン五輪の後に、ハノーファーからマルセイユへと渡り、チームでも長くレギュラーとして活躍してきた。まだ力が顕著に落ちてきたわけではない時期にJリーグに戻ってプレーするわけだから、国内のサッカーを盛り上げる意味でも期待したいよ。この辺りは、頑なにJリーグからの誘いを断って海外でのビジネスに熱心な人たちとは違うところ。

 浦和としてもデンマーク人のユンカーやショルツ、それに柏の江坂も獲得して、久しぶりにシーズン中にインパクトのある動きを見せている。優勝はちょっと難しい位置だけど、なんとかACLの出場権を掴もうという意欲は伝わってくるよ。

 宮市は高校時代から注目を集めて、いきなりアーセナルというビッグクラブに飛び込んでいったけど、あまり大きな成果を残すことはできなかった。不運にもケガを繰り返して、シーズンを通じてベストの状態を保つのも難しいのかもしれない。マリノスとしても過大な期待はかけられないだろう。とりあえず、今季の後半戦でどんなパフォーマンスを見せられるか。Jリーグ初挑戦という意味では、ちょっと注目してみたいところだね。
 

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