旗手怜央、ポリバレントな力は大学時代から!? 順大・堀池巧監督が認めた潜在能力の高さと、その教えとは?

2021年07月05日 小室功

「強気なプレーがとにかく目を引きましたね。早い段階でリーグ戦に起用したことを覚えています」

順天堂大ではキャプテンも務めた旗手。堀池監督は、入学前から潜在能力の高さを感じていたという。写真:小室功

「地元開催でのオリンピックだし、まずは楽しんでもらいたいなと思いますね。そのためには結果が大事になってくる。負けて楽しいというのはないでしょうから。結果を出してこそだと思うので、いい報告を待っています」

 関東大学リーグの順天堂大で指揮を執って7年目を迎える堀池巧監督は、東京オリンピックのU-24日本代表メンバーに選出された教え子の旗手怜央にエールを送った。そして、こう言葉をつなぐ。

「旗手が評価されているのはポリバレントな部分。複数のポジションを、あれだけ高いレベルでこなせる選手はそういません。試合日程がタイトなので、彼の力を必要とする状況が多いだろうし、重宝されると思う。オリンピック代表に選ばれた時"切り札になるんじゃない?"というメールを送ったら、"頑張ります。楽しみます"という返事が返ってきました」

 大学4年間の成長ぶりを間近で見てきた堀池監督は、"入学前"からその潜在能力の高さを買っていた。
 
「旗手が高校生の時に練習に参加してもらったことがあったのですが、技術はしっかりしているし、ボールを持つと積極的にゴールに向かっていく姿勢が印象的でした。強気なプレーがとにかく目を引きましたね。高校選抜のヨーロッパ遠征のためにチームに合流するのが遅くなったけれど、早い段階でリーグ戦に起用したことを覚えています」(堀池監督)

 人一倍、向こう意気の強いルーキーは、前期途中からスタメンを確保し、リーグ戦におけるチーム最多の9ゴールをマーク。その年の新人賞を獲得するなど、瞬く間に自身の存在価値を高めていく。

 将来、プロになる――。

 高校サッカーの名門である静岡学園(静岡)から順天堂大に進んだ旗手には明確な目標があった。「そのために、どうしたらいいか。何が今、必要なのか。思い描く将来に向かって逆算して考えられる選手でしたね」と、堀池監督は明かす。

 不断の努力はピッチのなかにとどまらず、ピッチ外でも同様だった。

「高校時代と違って、大学生になると自由な時間が増えるぶん、それぞれの自立心が問われます。次の日の午前中に授業がなければ、夜更かししようと昼まで寝ていようと、誰にも何も言われない。そういう環境に慣れて流されてしまうか、自己管理できるか。旗手は規則正しい生活を心がけていたし、強い身体を作るために食事にも気を配っていましたね」

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