【バイタルエリアの仕事人】vol.6 玉田圭司|“遊び心”ある今季初ゴール。「僕としては良い心理状況だった」

2021年06月29日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「僕自身はまだまだ“違い”を作れる」

16節・山口戦で今季初ゴール。寄せてくる相手を軽やかにかわし、ゴールに流し込んだ。(C)J.LEAGUE

 サッカーにおける攻守の重要局面となる「バイタルエリア」。ゴールや失点にダイレクトに関係してくる、"勝負の肝"となるスペースをいかに攻略するか、いかに死守するかは、多くのチームにとって不偏のテーマだろう。そんな「バイタルエリア」で眩い輝きを放つ選手たちのサッカー観に迫る連載インタビューシリーズ「バイタルエリアの仕事人」。第6回は、過去2度のワールドカップ出場を誇り、今季でプロ23年目を迎えたV・ファーレン長崎の玉田圭司だ。

 J1復帰が最重要課題となる長崎だが、シーズン序盤は開幕戦こそ白星を飾ったものの、その後は不安定な戦いが続いてしまい、苦しい時期を過ごしていた。クラブは5月3日に成績など総合的な判断のもと、今季から指揮を執る吉田孝行監督に代わり、アカデミーダイレクターの松田浩を後任に据えた。指揮官交代が功を奏したのか、以後は順調に勝点を積み上げて上位進出を果たす。20節を終えた時点の成績は、10勝3分7敗、24得点・23失点。勝点33で8位につける。ここまでのチームの戦いぶりを、熟練アタッカーはどう見ているのか。

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 シーズンの始めは、自分たちが主導権を握りながら戦おうというなかで、それがなかなかうまくいかずに、結果にも表われてしまい、難しい状況だったと思います。

 チームとして掲げていたのは、ボールを保持して、主導権を握るサッカー。それを続けながら結果が出てくれば良かったんですけど、思うように勝点を拾うことができなかった。
 
 監督が代わってからは、すごく手堅いチームにはなったと思います。それがうまくいって結果も出せていますが、まだまだ課題はたくさんあります。自信を持ちながらやっていくことが大事ですけど、成長していくことはもっと大事になってくると考えています。

 僕自身はまだまだ"違い"を作れると思っています。もっと自分の存在を示していきたい。(自分自身のプレーに)納得はまったくできていませんね。
 

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