「どでかい失敗だ」フランス五輪代表に激震! 3クラブの招集拒否で、超逸材カマビンガらの出場に暗雲【現地発】

2021年06月27日 結城麻里

18名の選手を発表後に、クラブが反抗

レンヌの招集拒否で、注目のカマビンガの東京行きも不透明に…。 (C)Getty Images

 東京オリンピックでメダルを狙うと思われていたフランス・エスポワール代表(U-21代表=五輪代表に相当)が、登録メンバー発表とほぼ同時に大きな壁にぶち当たってしまった。

 壁となって立ちはだかったのは、リーグ・アンのリヨン、ニース、レンヌの3クラブだ。ニースのフットボール・ディレクターはリスト発表直後、「アミンヌ・グイリが招集されたが、彼は東京に行かない。私は気分を害しながら驚いている。我々は常に規則を守っており、フランス・フットボール連盟(FFF)もそれを確認するだろう」とコメント。次いでレンヌは超逸材エドゥアルド・カマビンガ、リヨンはマクサンス・カクレを、それぞれ「参加させない」と表明した。

 このため26日の各テレビ局は、「悲壮感が漂うばかり」「滑稽千番なコミュニケーション・ミス」「フランス共和国を代表して戦うつもりがないということか」と溜息まじり。同夜の人気討論番組でも、「フランスは『参加することに意義がある』と思うべきか?」という皮肉な論題が設けられ、「いくらなんでもノンだ」「オリンピックだよ、オリンピック!」「キリアン・エムバペのように、参加したい選手も多いはず」との意見が圧倒的に噴出した。
 
 また、エスポワール代表を長年率いたレイモン・ドメネク元監督は、「もうオリンピックのフットボールなんかやめればいいんだ」とジョークとも本気ともとれる投げやりな言葉を飛ばした。

「だいたいフットボールのプロ選手たちはプライベートジェットで移動しているのに、オリンピックはアマチュアの祭典だから、何百キロも離れた会場にアマ時代みたいに移動しなくちゃいけないんだ。オリンピックでフットボールを続けるというなら、選手たち自身に決めさせるしかない」

 だが、事態はそう簡単ではない。フットボールのプロクラブには、選手を五輪に参加させる義務が課されていないのも事実だ。このため全員が、「国際サッカー連盟(FIFA)と国際オリンピック連盟(IOC)は問題を調整・解決すべきだ」との意見で一致した。

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