浦和レッズは大型補強でどう変わる?後半戦のベスト布陣を探る

2021年06月26日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

酒井との共存を考えるなら西は右サイドハーフが最適

現行の基本システム4-2-3-1に当てはめた。酒井との共存を探るなら西は右サイドハーフが最適と見る。(C)SOCCER DIGEST

 2020年、浦和レッズは22年のリーグ優勝を見据えた「3年計画」なるプランを掲げた。今季はその2年目だ。明確なスタイルを確立できないまま10位止まりと結果が出なかった1年目と打って変わり、スペイン人指揮官のリカルド・ロドリゲスを迎えた今季、チームは復活への本気度を感じさせている。

 6節まではリーグ戦でわずか1勝と開幕当初こそ勝利が遠かったものの、新指揮官のポゼッション戦術が徐々に浸透し、新助っ人FWのキャスパー・ユンカーが瞬く間にフィット。4月3日の鹿島戦から公式戦12勝5分3敗と復調した。またデンマーク人のCBアレクサンダー・ショルツ、日本代表の右SB酒井宏樹を獲得すると、さらには柏で10番をつけていた江坂任までも加え、ますます期待感が膨らんでいる。

 ショルツの来日時期については未定だが、西野努テクニカルダイレクターによると、「早ければ8月の中断明けには間に合うだろう」との見込み。また酒井も東京五輪が終わってからの本格合流となるため、8月以降が予想される。

 ただ江坂は加入が発表された25日には、すでにチームに合流し、新たな風を吹き込んでいる。

 こうした大型補強により、選手起用に小さくない変化が起こりそうだ。ここで、後半戦のベストな布陣を探っていきたい。

 まずロドリゲス監督は「新しい選手が入ることによってチームに新しいスタイルが生まれるし、すでにいた選手が新しいポジションでプレーすることも考えられる」と、システムや戦術の変更や選手のコンバートのビジョンを隠さない。
 
 最大の見どころは、右サイドにおける酒井と西大伍の使い分けだ。ロドリゲス監督は右SBの単なる1番手、2番手としては捉えておらず、「ふたりを組み合わせることはできる。西選手はポリバレントで、シャドー、サイドハーフ、ボランチもできる。酒井選手は3バックのCBも、左SB、ウイングバックもできる」と併用を視野に入れている。

 酒井自身も「大伍さんは全然タイプが違うし、むしろ一緒にやれることがすごく楽しみ」と好意的だ。かたや、かねてから前線でのプレーを希望している西にとっても、酒井の加入は、むしろ好都合かもしれない。

 西は開幕前にボランチでテストされていたが、酒井との共存を考えるなら、右サイドハーフがベストと見る。技術と戦術眼に長けた西がひとつ前でタメを作れれば、酒井の豪快なオーバーラップとクロスが生かされるからだ。

 家長がボールをキープしつつ、山根がその後ろからオーバーラップやインナーラップを仕掛けるような川崎の右サイドに匹敵する、あるいはそれ以上に迫力のあるサイド攻撃が見られるのではないかと夢想する。
 

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