「デパイと呼ばないで」バルサ新加入の27歳はなぜ苗字を嫌うのか?そこには「決して許さない」過去があった

2021年06月20日 サッカーダイジェストWeb編集部

昨季はフランスでリーグ2位の20ゴールと大活躍

現在はオランダ代表としてEUROを戦うデパイ(左)。その背中にはファーストネーム、「メンフィス」の名が。(C)Getty Images

 現地時間6月19日に、リヨンから同胞ロナルド・クーマンが率いるバルセロナへの加入を発表したオランダ代表FWメンフィス・デパイが、ユニホームに苗字を入れることを拒む理由を明かした。スペイン紙『Marca』が伝えている。

 27歳のストライカーはファーストネームでのみ認識されることを望み、苗字で呼ばれることを拒否している。事実、リヨンとオランダ代表、そして過去にマンチェスター・ユナイテッドで伝統の7番を背負った際も、ユニホームに印字されたのは「DEPAY」ではなく、「MEMPHIS」だった。そこまで頑なになるのには、父親であるデニス・デパイの存在がある。

 デパイは、ガーナ人の父とオランダ人の母の間に、オランダのモールドレヒトで生まれた。しかし、わずか4歳のときに父デニスは別の家庭を作り蒸発。それが原因で大きな恨みを抱くようになったのだ。「決して許さない」と口を閉ざし、彼が父親に言及したことは数回しかない。その拒絶反応はすさまじく、キャリア初期の頃には「デパイと呼ばないで、メンフィスと呼んでくれ」と、記者たちに主張していたほどだ。
 
 しかし、父親に対する嫌悪感とは対照的に、シングルマザーとして育ててくれた母親や、父親代わりとなった今は亡き母方の祖父に対しては、多大な愛情とリスペクトを感じている。自伝『ライオン・ハート』で説明しているように、2人はキャリアにおいて決定的な意味を持っており、数あるタトゥーのひとつとして、身体には祖父の名も。「僕に力を与え、見守ってくれた。僕はいつも彼のことを心に留めている」と、デパイは15歳の時に亡くなった大切な人への想いを訴えている。

 昨シーズンはキリアン・エムバぺ(パリ・サンジェルマン)に次ぐリーグ2位の20ゴールを奪った点取り屋は、メガクラブでも大暴れし、メンフィスの名をさらに世に知らしめることができるか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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