五輪金メダルへのキーマンに際立つ存在感! A代表での嬉しい発見は…【日本代表&U-24代表の6月シリーズMVPは?】

2021年06月17日 清水英斗

金メダルへの鍵を握るのは堂安だ

ジャマイカ戦のU-24日本代表のスタメン。攻守で日本が圧倒し、4-0で快勝した。写真提供:JFA

 6月シリーズ、U-24日本代表のMVPには堂安律を選ぶ。今はオーバーエイジ3人へのスポットライトがあまりに眩しく、その陰に入った印象もあるが、実際、堂安は非常に良いプレーを見せていた。顔つき、身体つきは以前より引き締まり、充実のシーズンを送った様子が伺える。久保建英とのコンビネーションも良く、創造的に相手をかく乱した。

 U-24ガーナ戦では、前半に酒井宏樹がひとりだけエンジンの違う外国車のような攻撃を仕掛け、堂安や久保も加わって右サイドを重点的に攻めたが、後半は一転。警戒された酒井はオーバーラップを抑え、左サイドハーフの相馬勇紀が中へ入り、中山雄太が攻め上がって幅を取る、左サイド重心の攻め方に変化した。その中で堂安は相馬に声をかけ、この修正に関わるなど、攻撃のタクトを振るう人物になっている。

 正直なところ、U-24代表のチーム完成度はまだ低い。連係がガタつくところ、相手を見てどう変化するか、といった部分ではA代表主力チームには全く及ばない。3人のモンスターが加わって次元の違うチームに成長したU-24代表だが、個で圧倒できない相手と戦えば、この6月のようにはいかない。五輪本番では、今以上の組織力が必要になる。
 
 守備面は吉田麻也らに任せられるし、A代表メンバーばかりなので、不安はない。一方、オーバーエイジを選ばなかった攻撃陣は、堂安の存在感が際立つ。相手を見て戦える選手は、U-24世代にはそれほど多くない。堂安の主体性、知性、発言力はチームに欠かせないものになりそ…、いや、おそらく既になっているはず。

 残る強化試合となるU-24ホンジュラス戦(7月12日)、U-24スペイン戦(同17日)を経て、もっと言えば大会中にも1試合ずつ成長しなければ、金メダルには到底たどり着けない。堂安は鍵を握る選手だ。

【PHOTO】東京五輪候補メンバー27人

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