【日本代表】6月シリーズで序列を上げたのは誰? 国内組が最終予選で重要戦力となる可能性も

2021年06月17日 元川悦子

6月シリーズ最大の収穫はオナイウの躍動

キルギス戦のスターティングメンバー。6月シリーズでは、多くの国内組がテストされた。写真提供:JFA

 6月15日の2022カタール・ワールドカップ(W杯)アジア2次予選・キルギス戦(吹田)を最後に、3週間超に及んだ5・6月シリーズが終わった。A代表は5月28日のミャンマー戦(千葉)から5試合、U-24日本代表も6月3日のA代表戦を含めて3試合を消化。海外組・国内組に関わらず幅広い戦力と組み合わせ、フォーメーションをテストすることができた。

 特に大きな収穫を挙げるとすれば、大迫勇也(ブレーメン)の代役候補にオナイウ阿道(横浜)が浮上したことだろう。森保一監督は今回、A代表で浅野拓磨、古橋亨梧(神戸)を最前線でテストしたが、ターゲットマンタイプではない彼らではボールが収まらず、攻撃の組み立てがスムーズにいかなくなった。

 そんな中、異彩を放ったのが、7日のタジキスタン戦(吹田)前に追加招集されたオナイウだ。11日のセルビア戦(神戸)で途中出場した彼は、大柄で屈強な相手DF相手にひるむことなくボールを収め、起点を作った。
 
「相手が引いた試合でFWがポストプレーでタメを作ってくれれば後ろの選手もすごく助かる」と長友佑都(マルセイユ)も絶賛。大ベテランの発言に背中を押されたのか、キルギス戦でもターゲット役をこなしつつ、ハットトリックを達成。大迫不在を感じさせない仕事ぶりを見せたのだ。

 最終予選以降の1トップに関しては、U-24の上田綺世(鹿島)も有力候補。彼らがJリーグで鎬を削り、最終予選の枠を競うのは代表にとって前向きな形。2人の台頭に浅野や今回未招集の鈴木武蔵(ベールスホット)らも刺激を受けるはず。そうやって選手が厚くなれば、前々から問題視されてきた大迫依存状態からの脱出も見えてくる。その一歩を踏み出せたのはいいことだ。

 また2列目のアタッカー陣は伊東純也(ゲンク)、鎌田大地(フランクフルト)、南野拓実(サウサンプトン)のトリオが現段階のファーストチョイスであることが改めて明確になった。今後はそこにU-24の堂安律(ビーレフェルト)と久保建英(ヘタフェ)が絡む構図になりそうだ。

【PHOTO】A代表初ゴールから前半だけで圧巻ハットトリックを達成!オナイウ阿道を特集!

次ページ中盤で意外なほどのインパクトを残したのは川辺

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