【釜本邦茂】大迫不在を感じさせなかったオナイウ。国内組の奮起で最終予選がますます楽しみになってきた!

2021年06月15日 サッカーダイジェストWeb編集部

両サイドからのクロスに合わせる良い展開の中から生まれた3ゴール

代表初ゴールから6分間でハットトリックを達成したオナイウ。キルギス戦の快勝に貢献した。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部/JMPA代表撮影)

 ワールドカップ・アジア2次予選のキルギス戦は、5対1で日本が勝った。この試合のMVPはなんといっても代表2試合目でハットトリックを決めたオナイウだろう。離脱した大迫の代役としてどんな活躍を見せてくれるか注目していたが、見事に結果で能力の高さを証明してみせた。

【動画】川辺の鮮やかなドリブル突破から、クロスに合わせたオナイウが2点目!

 Jリーグでは好調をキープしていただけに、追加招集はやはり実力で手繰り寄せたもの。彼自身も代表2戦目で、なんとか結果を残そうという気持ちがゲームに滲み出ていた。1点目は結果的にPKだったが、3つのゴールともに左右両サイドからのクロスに合わせる良い展開の中から生まれた。マークを外す動きも冴えていたし、大迫に代われるだけの力を示したと言っていいんじゃないか。
 
 ただし、トップにボールが入った時のさばき方には成長の余地がある。ポストに入るだけでなく、振り向いて自分で仕掛けていくプレーも見せてほしかったし、寄せられた時に少し正確性に欠けるところもあった。まあ、これから国際試合の経験を積んでいけば、楽しみな存在だよ。

 もちろん、オナイウにお膳立てのパスを供給した両サイドバックの山根や小川、さらにボランチの川辺もアピールに成功したと言っていいし、5点目のカウンターのゴールも古橋と浅野がスピードという自らの武器を生かして奪った良いゴールだった。

 本当に秋に始まる最終予選へ向けて、メンバーへ入っていくためにそれぞれの選手が自分の持ち味を発揮しようという意欲がピッチ上に現われていた。とりわけ、国内組の選手の奮闘が目立っていたし、海外組の選手をうかうかしていられないという気にさせたんじゃないか。

 オーバーエイジで招集された吉田、酒井、遠藤も不在で、逆にここがアピールのチャンスと多くの選手の奮起を促したような2次予選の最終戦だった。選手層の厚みを感じた試合だったね。
 

次ページ最終予選へ向けて不安な点も…

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事