【EURO出場国紹介|オランダ】ファン・ダイク欠場は痛手も、若手の台頭で“不気味な存在”

2021年06月09日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

守護神シレッセンの扱いが議論に

オランダはファン・ダイク(4番)の欠場をチーム力でカバーできるか。(C)Getty Images

オランダ(2大会連続10回目の出場)
・FIFAランク:16位
・EURO最高成績:優勝(1988年)
・前回大会:予選敗退
・予選成績:6勝1分け1敗/24得点・7失点(グループC 2位)

●マッチスケジュール(グループB)
6月13日:ウクライナ(アムステルダム)
6月17日:オーストリア(アムステルダム)
6月21日:北マケドニア(アムステルダム)

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 EURO16と18年ワールドカップの出場を逃したオランイェが、檜舞台に帰ってきた。

 予選では、ロナルド・クーマン前監督(昨夏にバルサ指揮官へ転身)が推し進めた世代交代が奏功。その象徴が新進気鋭のフレンキー・デヨング(バルセロナ)とマタイス・デリフト(ユベントス)、そして偽の9番として覚醒したメンフィス・デパイ(リヨン)だった。

 後任のフランク・デブール監督は、前任者が重宝したゼロトップ型の4−3−3に加え、ルーク・デヨング(セビージャ)などターゲットマンを置くパターンや、5−3−2を採用するなど、対戦相手や状況によってメンバーやシステムを使い分けている。

 しかし、デ・ブール就任以降、戦績は思わしくなく、ワールドカップ予選の初戦では、トルコに2-4で完敗した。かつて、アヤックスをエールディビジ4連覇(2010-11~13-14年)に導いたものの、インテル、クリスタル・パレス、アトランタ・ユナイテッドで結果を残せなかった指揮官に対する疑念は国内で根強い。

 その批判の矛先は、采配のみならず、チームマネージメントの拙さにも及ぶ。今大会はGKの登録に特別ルールがある中、コロナテストで陽性だった守護神ヤスパー・シレッセン(バレンシア)を早々に見切ったことは大きな議論になった。

 ワールドクラスのCB、フィルジル・ファン・ダイク(リバプール)の欠場は、チームリーダー不在という意味でも大きな痛手だ。一方、足首の負傷で出場が危ぶまれていたダニー・ブリント(アヤックス)は、辛うじて大会に間に合った。「チームの頭脳」として、可変型システムを採用する戦術のキーマンになりそうだ。

 若手の台頭は大いに楽しみだ。デ・ブール政権下では左SBオーウェン・ヴァインダル(AZ)がレギュラーに定着し、MFライアン・フラーフェンベルフも貴重な戦力になった。

さらに、6月2日に行なわれたフレンドリーマッチのスコットランド戦(2-2)ではCBユリエン・ティンバーがデビューマッチで素晴らしいパフォーマンスを披露。右SBや中盤もこなせる新鋭の評価はうなぎのぼりだ。技巧派で得点効率が高いFWコディ・ガクポ(PSV)は秘密兵器として期待される。

 列強国のなかでは決して下馬評は高くないが、グループステージの組み合わせに恵まれた上、3試合ともホームのヨハン・クライフ・アレナで戦えることからベスト16進出はほぼ間違いない。伸びしろの小さくないチームだけに、大会を賑わせる可能性を秘めた不気味な存在だ。

文●中田徹

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